学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ A. 視覚器 / Q0690

理由で解く 解剖学

Q0690 感覚器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題30
問題
眼球の構造で神経組織によって形成されているのはどれか。
選択肢
1 角膜
2 網膜
3 脈絡膜
4 強膜
解答
正解2(網膜)
解説
✗ 1. 誤り
角膜
角膜は眼球壁外層(線維膜)の前1/6を占める線維性結合組織で、表層は重層扁平上皮の角膜上皮でおおわれる。血管を欠き三叉神経枝が分布するが、神経組織そのものではない。
✓ 2. 正しい
網膜
網膜は眼球壁の最内層を占める神経膜で、3層の神経組織(視細胞層・双極細胞層・視神経細胞層)と外層の色素上皮層から構成される。光刺激は視細胞(錐体・杆体)で受容され、双極細胞を経て視神経細胞(神経節細胞)に伝わり、その軸索が集まって視神経円板から視神経を形成する。発生学的にも間脳(視胞)に由来する中枢神経系の一部で、眼球内で唯一の真の神経組織である。
✗ 3. 誤り
脈絡膜
脈絡膜は眼球壁中層(血管膜)を形成する暗褐色の薄膜で、メラニン色素細胞と血管に富む結合組織からなる。光の乱反射防止と栄養供給を担うが、神経組織ではない。
✗ 4. 誤り
強膜
強膜は眼球壁外層(線維膜)の後5/6を占める白色強靭な線維性結合組織で、眼球の形を保ち外力から保護する。血管が少なく白色を呈し、後部は視神経鞘に移行するが神経組織そのものではない。
ポイント
  • 網膜は眼球壁の内層(神経膜)で、光受容から神経信号への変換を担う唯一の神経組織である。
  • 覚え方のコツ: 眼球壁3層は「外=線維(強・角)/中=血管(脈・毛・虹)/内=神経(網膜)」と三段で記憶。
  • 関連知識: 網膜は発生学的に間脳(視胞)から生じる中枢神経系の一部で、視神経は末梢神経ではなく脳の白質に相当する。
  • よくある間違い: 脈絡膜を神経組織と誤りがち。脈絡膜は血管膜(色素と血管)で光反射防止と栄養供給が役割。
  • 臨床応用: 網膜剥離は神経層と色素上皮層の間で起こる。中心窩に及ぶ黄斑変性は中心視野の障害をもたらし、高齢者の失明原因の上位を占める。
比較表
別称 構成要素
外層 線維膜 強膜(後5/6)+角膜(前1/6)
中層 血管膜(ぶどう膜) 脈絡膜+毛様体+虹彩
内層 神経膜 網膜(色素上皮+神経層)
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題30|眼球の構造で神経組織によって形成されているのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題30|眼球の構造で神経組織によって形成されているのはどれか。
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