学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1067

理由で解く 解剖学

Q1067 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題31
問題
頸動脈三角の後縁を成すのはどれか。
選択肢
1 胸骨甲状筋
2 肩甲舌骨筋
3 顎二腹筋
4 胸鎖乳突筋
解答
正解4(胸鎖乳突筋)
解説
✗ 1. 誤り
胸骨甲状筋
胸骨甲状筋は舌骨下筋群の一つで、胸骨柄の後面から甲状軟骨斜線に停止する筋。喉頭を引き下げる作用を持ち、頸動脈三角の構成には関与しない(三角のさらに下方=筋三角の深層を通る)。
✗ 2. 誤り
肩甲舌骨筋
(役割違い)。 肩甲舌骨筋(上腹)は頸動脈三角の「下縁」を形成する筋で、後縁ではない。肩甲舌骨筋は肩甲骨上縁から起こり中間腱を経て舌骨に停止する二腹筋で、外側頸三角を斜めに横切る。
✗ 3. 誤り
顎二腹筋
(役割違い)。 顎二腹筋(後腹)は頸動脈三角の「上縁」を形成する筋で、後縁ではない。顎二腹筋は乳様突起内側から起こる後腹と下顎骨オトガイ部から起こる前腹が中間腱で結合した筋である。
✓ 4. 正しい
胸鎖乳突筋
頸動脈三角は前頸三角を細分した領域の一つで、「前縁=顎二腹筋後腹/下縁=肩甲舌骨筋上腹/後縁=胸鎖乳突筋前縁」の三辺で囲まれる。胸鎖乳突筋は胸骨柄前面と鎖骨胸骨端から起こって側頭骨乳様突起に停止する強力な筋で、副神経(脊髄根)支配。この筋の前縁が頸動脈三角の後方境界を構成する。頸動脈三角の深部では総頸動脈が外頸動脈と内頸動脈に分岐し、体表から強い脈拍を触れる。頸動脈小体(化学受容器)・頸動脈洞(圧受容器)が分岐部付近にあり、血圧・呼吸調節の末梢センサーとしても重要である。
ポイント
  • 頸動脈三角の三辺は「顎二腹筋後腹(上縁)/肩甲舌骨筋上腹(下縁)/胸鎖乳突筋前縁(後縁)」。
  • 覚え方のコツ: 「頸二筋で囲む頸動脈三角」=顎二腹後腹+肩甲舌骨筋上腹+胸鎖乳突筋(上・下・後)。
  • 関連知識: 頸動脈三角の深部で総頸動脈が内頸動脈・外頸動脈に分岐。頸動脈洞(圧受容器)・頸動脈小体(化学受容器)も分岐部近傍。
  • よくある間違い: 肩甲舌骨筋や顎二腹筋を後縁と取り違え(それぞれ下縁・上縁が正解)。
  • 臨床応用: 頸動脈三角は頸動脈狭窄症や頸動脈小体腫瘍の触診部位。超音波やCT angioで脳血流評価の要となる。
比較表
三角 前縁 上(後)縁 下縁
顎下三角 顎二腹筋前腹 下顎骨下縁 顎二腹筋後腹
頸動脈三角 顎二腹筋後腹(上縁) 胸鎖乳突筋前縁(後縁) 肩甲舌骨筋上腹
筋三角 肩甲舌骨筋上腹 胸鎖乳突筋前縁 正中線
後頸三角 胸鎖乳突筋後縁 僧帽筋前縁 鎖骨
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題31|頸動脈三角の後縁を成すのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題31|頸動脈三角の後縁を成すのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手