学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0975

理由で解く 解剖学

Q0975 運動器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題18
問題
下肢の筋とその起始との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 膝窩筋 ― 大腿骨外側上顆
2 長指屈筋 ― 腓骨体前面
3 縫工筋 ― 上前腸骨棘
4 後脛骨筋 ― 下腿骨間膜後面
解答
正解2(長指屈筋 ― 腓骨体前面)
解説
✗ 1.
膝窩筋 ― 大腿骨外側上顆
✗ 正しい。 この組合せは正しい。膝窩筋は大腿骨外側上顆から起こり、脛骨後面(ヒラメ筋線上方)に停止する下腿後面最深層の筋である。膝関節屈曲の初期にロックを解除し、脛骨をわずかに内旋させる。支配神経は脛骨神経。
✓ 2. 誤り
長指屈筋 ― 腓骨体前面
長指屈筋は脛骨体の後面から起こり、足底で4本に分かれて第2〜5指の末節骨底に停止する下腿後面深層の筋である。腓骨体から起こるのは長腓骨筋・短腓骨筋(外側面)と長母指屈筋(後面)であって、長指屈筋の起始を「腓骨」とするのは脛骨と腓骨を取り違えた誤りになる。支配神経は脛骨神経で、足指を屈曲し足関節の底屈を助ける。
✗ 3.
縫工筋 ― 上前腸骨棘
✗ 正しい。 縫工筋は上前腸骨棘から起こり、大腿前面を斜めに横切って脛骨粗面の内側(鵞足)に停止する人体最長の筋である。大腿神経支配で、股関節の屈曲・外旋と膝関節の屈曲に働き、組合せは正しい。
✗ 4.
後脛骨筋 ― 下腿骨間膜後面
✗ 正しい。 後脛骨筋は下腿骨間膜後面および脛骨・腓骨の後面から起こり、内果の後方を回って足底で舟状骨粗面などに停止する下腿後面最深層の筋である。脛骨神経支配で足関節の底屈・内反に働き、組合せは正しい。
ポイント
  • 長指屈筋は脛骨後面から起こる深層の筋で、腓骨から起こる長母指屈筋・長短腓骨筋と区別する。
  • 覚え方のコツ: 下腿後面深層を「内側→外側」に並べると後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋で、起始は順に「脛骨+腓骨+骨間膜」「脛骨後面」「腓骨後面」となる。
  • 関連知識: 縫工筋(上前腸骨棘)・大腿直筋(下前腸骨棘)・大腿二頭筋長頭(坐骨結節)は骨盤起始筋の代表例で国試頻出。
  • よくある間違い: 「脛骨」と「腓骨」の取り違え。長指屈筋=脛骨、長母指屈筋=腓骨と一対で覚える。
  • 臨床応用: 後脛骨筋腱が伸びて機能不全を起こすと内側縦足弓が低下し、成人期扁平足の主因となる。
比較表
起始 停止 支配神経
後脛骨筋 下腿骨間膜後面・脛骨/腓骨後面 舟状骨粗面ほか 脛骨神経
長指屈筋 脛骨体後面 第2〜5指末節骨底 脛骨神経
長母指屈筋 腓骨体後面 母指末節骨底 脛骨神経
長腓骨筋 腓骨外側面上部 第1中足骨底・内側楔状骨 浅腓骨神経
縫工筋 上前腸骨棘 脛骨粗面内側(鵞足) 大腿神経
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題18|下肢の筋とその起始との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題18|下肢の筋とその起始との組合せで誤っているのはどれか。
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