学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0922

理由で解く 解剖学

Q0922 運動器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題17
問題
橈骨手根関節の内転作用に関与する筋はどれか。
選択肢
1 尺側手根伸筋
2 橈側手根屈筋
3 長母指伸筋
4 長橈側手根伸筋
解答
正解1(尺側手根伸筋)
解説
✓ 1. 正しい
尺側手根伸筋
尺側手根伸筋は外側上顆と尺骨後面から起こり第5中手骨底に停止する前腕後面最内側の浅層伸筋である。手関節の伸展(背屈)と内転(尺屈)に作用し、尺側手根屈筋と共同して手関節を尺屈させる。橈骨神経に支配される。尺屈(内転)は手首を小指側に傾ける動作。
✗ 2. 誤り
橈側手根屈筋
橈側手根屈筋は内側上顆から起こり第2・3中手骨底に停止する前腕浅層屈筋で、手関節の「屈曲(掌屈)」と「外転(橈屈)」に作用する。内転ではなく外転筋である。正中神経支配。
✗ 3. 誤り
長母指伸筋
長母指伸筋は尺骨後面・前腕骨間膜から起こり母指末節骨底に停止する深層伸筋である。作用は母指IP関節の伸展で、手関節そのものの内転・外転には関与しない。橈骨神経深枝支配。
✗ 4. 誤り
長橈側手根伸筋
長橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆より上の外側縁から起こり第2中手骨底に停止する。手関節の伸展(背屈)と「外転(橈屈)」に作用し、内転ではなく橈側方向へ手関節を動かす。橈骨神経支配。
ポイント
  • 手関節の内転(尺屈)には尺側手根屈筋(掌側)と尺側手根伸筋(背側)が協働する。外転(橈屈)には橈側手根屈筋と長・短橈側手根伸筋が協働。
  • 覚え方のコツ: 「名前に含まれる側が動く方向」=尺側の筋は尺屈、橈側の筋は橈屈。屈・伸は筋腹の位置(前面なら屈、後面なら伸)で判断。
  • 関連知識: 内転(尺屈)と外転(橈屈)を起こすには、屈筋と伸筋が同時に収縮して関節を一方向だけに動かす必要がある。片方だけでは屈曲または伸展も同時に起こるため単独運動にならない。
  • よくある間違い: 「内転=内側」で長母指伸筋などを誤選択/尺側手根屈筋と尺側手根伸筋を混同する/橈側を「内側」と取り違える。
  • 臨床応用: 尺側手根伸筋腱炎はテニスや手首を酷使するスポーツで生じ、尺側手首痛と背側腫脹を呈する。TFCC損傷の鑑別が必要。
比較表
運動方向 屈筋(掌側) 伸筋(背側)
橈屈(外転) 橈側手根屈筋 長・短橈側手根伸筋
尺屈(内転) 尺側手根屈筋 尺側手根伸筋
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題17|橈骨手根関節の内転作用に関与する筋はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題17|橈骨手根関節の内転作用に関与する筋はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手