学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0964

理由で解く 解剖学

Q0964 運動器系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題19
問題
上肢の伸筋支帯下の6つの管と通過する腱との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 第 1 管 ―――― 長母指伸筋の腱
2 第 2 管 ―――― 長母指外転筋の腱
3 第 4 管 ―――― 短母指伸筋の腱
4 第 5 管 ―――― 小指伸筋の腱
解答
正解4(第 5 管 ―――― 小指伸筋の腱)
解説
✗ 1. 誤り
第 1 管 ―――― 長母指伸筋の腱
第1管(最も橈側)を通るのは長母指外転筋と短母指伸筋の2腱であり、長母指伸筋ではない。長母指伸筋は単独で第3管を通過し、第3管と第2管の間にある橈骨背側のリスター結節を回り込むように走行する。
✗ 2. 誤り
第 2 管 ―――― 長母指外転筋の腱
第2管を通るのは長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の2腱である。長母指外転筋は第1管(最も橈側)を短母指伸筋と一緒に通過し、橈骨茎状突起の橈側を通って母指の外転に働く。
✗ 3. 誤り
第 4 管 ―――― 短母指伸筋の腱
第4管を通るのは総指伸筋と示指伸筋の腱で、短母指伸筋は第1管を長母指外転筋と一緒に通過する。第4管は伸筋支帯のほぼ中央に位置し、第2〜5指を伸展する総指伸筋4本と、示指のみを単独伸展させる示指伸筋腱が収まる。
✓ 4. 正しい
第 5 管 ―――― 小指伸筋の腱
伸筋支帯下の6つのトンネルは橈側から順に、第1管が長母指外転筋・短母指伸筋、第2管が長・短橈側手根伸筋、第3管が長母指伸筋(リスター結節の尺側)、第4管が総指伸筋・示指伸筋、第5管が小指伸筋、第6管が尺側手根伸筋である。各トンネルは骨に密着した腱区画で仕切られ、各腱は独立した腱鞘で包まれて摩擦を軽減している。第5管は第4管と第6管の間、下橈尺関節のやや尺側背面に位置し、小指のみを単独で伸展する小指伸筋腱を通す。
ポイント
  • 伸筋支帯下の6つの腱区画を橈側から順に、①長母指外転筋+短母指伸筋、②長・短橈側手根伸筋、③長母指伸筋、④総指伸筋+示指伸筋、⑤小指伸筋、⑥尺側手根伸筋として覚える。
  • 覚え方のコツ: 橈側から「AP-RR-L-EI-M-U」と暗唱する。母指系が両端ではなく橈側に集中(①③)、中央④が指全体を動かす主役、最尺側⑥が手関節の尺側伸筋と対応づける。
  • 関連知識: 第2管と第3管の間の橈骨背側にリスター結節があり、長母指伸筋腱はここを滑車のように回って橈側に向かう。腱区画を仕切る横中隔は骨膜に直接付着する。
  • よくある間違い: 長母指伸筋(第3管)と長母指外転筋(第1管)を混同する。また「母指は全部同じ管」と決めつけると失点する。母指を動かす3筋は①長母指外転筋②短母指伸筋③長母指伸筋で、①②は第1管、③は第3管に分かれる点に注意。
  • 臨床応用: 第1管(長母指外転筋・短母指伸筋)の腱鞘炎はde Quervain(ド・ケルバン)病と呼ばれ、母指使用過多の産後女性や手作業従事者に多く、Finkelsteinテストで誘発痛を確認する。
比較表
通過腱 主な作用
第1管 長母指外転筋・短母指伸筋 母指の外転・伸展
第2管 長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋 手関節の背屈・橈屈
第3管 長母指伸筋 母指末節の伸展(リスター結節を回る)
第4管 総指伸筋・示指伸筋 第2〜5指/示指の伸展
第5管 小指伸筋 小指の単独伸展
第6管 尺側手根伸筋 手関節の背屈・尺屈
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題19|上肢の伸筋支帯下の6つの管と通過する腱との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題19|上肢の伸筋支帯下の6つの管と通過する腱との組合せで正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手