学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ K. 上肢の運動 / Q0963

理由で解く 解剖学

Q0963 運動器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題23
問題
三角筋の作用でないのはどれか。
選択肢
1 肩関節の屈曲
2 肩関節の伸展
3 肩関節の内転
4 肩関節の外転
解答
正解3(肩関節の内転)
解説
✗ 1.
肩関節の屈曲
✗ 正しい。 三角筋前部線維は鎖骨外側1/3から起こり、肩関節の前方を通って三角筋粗面に停止するため、上腕を前方挙上する屈曲作用を持つ。
✗ 2.
肩関節の伸展
✗ 正しい。 三角筋後部線維は肩甲棘から起こり、肩関節の後方を通るため上腕を後方挙上する伸展作用を担う。前部と拮抗する位置関係にある。
✓ 3. 誤り
肩関節の内転
三角筋は肩関節の外側をまたいで三角筋粗面に停止するため、あらゆる線維が働いても上腕は外転方向に引かれ、内転作用は生じない。内転を担うのは大胸筋・広背筋・大円筋・烏口腕筋などの胸郭・体幹側に停止する筋群であり、三角筋とは走行が真逆である。試験で「三角筋=外転・屈曲・伸展」と覚えておけば内転だけが明確に除外できる。なお棘上筋は外転の起動、三角筋中部は水平位までの外転主動筋として機能する。
✗ 4.
肩関節の外転
✗ 正しい。 三角筋中部線維は肩峰から起こり上腕骨長軸と平行に走るため、棘上筋の起動を受けてから水平位までの外転主動筋として働く。
ポイント
  • 三角筋は前・中・後の3部に分かれ、それぞれ屈曲・外転・伸展を行うが、内転作用は持たない。支配神経は腋窩神経(C5-6)。
  • 覚え方のコツ: 「三角筋は外側から肩を包み込む」→ 内転だけできない。前(鎖骨)=屈曲、中(肩峰)=外転、後(肩甲棘)=伸展と起始で対応づける。
  • 関連知識: 三角筋単独では上腕を水平位までしか挙げられず、それ以上は僧帽筋・前鋸筋による肩甲骨回旋が必要。外転の始動は棘上筋が担う。
  • よくある間違い: 「肩の丸みをつくる筋=あらゆる方向に動かせる」と誤認し内転も含めてしまう/腋窩神経支配を正中神経支配と混同。
  • 臨床応用: 腋窩神経麻痺では三角筋と小円筋が麻痺し、肩関節の外転・屈曲・伸展が障害されて上腕外側の感覚も低下する(上腕骨外科頸骨折で生じやすい)。
比較表
線維 起始 作用
前部 鎖骨外側1/3 肩関節の屈曲(前方挙上)
中部 肩峰 肩関節の外転(側方挙上)
後部 肩甲棘 肩関節の伸展(後方挙上)
共通 → 三角筋粗面 支配神経:腋窩神経
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題23|三角筋の作用でないのはどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題23|三角筋の作用でないのはどれか。
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