学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0954

理由で解く 解剖学

Q0954 運動器系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題19
問題
上肢の筋で正中神経が通り抜けるのはどれか。
選択肢
1 回外筋
2 円回内筋
3 烏口腕筋
4 母指内転筋
解答
正解2(円回内筋)
解説
✗ 1. 誤り
回外筋
回外筋は「橈骨神経」の深枝が貫通する筋である。正中神経は関与しない。
✓ 2. 正しい
円回内筋
正中神経は肘窩で円回内筋の「上腕頭と尺骨頭の間」を通り抜けて前腕深部に入る。この通過路が円回内筋症候群の絞扼部位となる。肘窩では上腕動脈とともに上腕二頭筋腱膜の下をくぐって肘窩に入り、続いて円回内筋の2頭の隙間を抜け、浅指屈筋の起始部にある腱弓(浅指屈筋腱弓)を通って前腕屈筋群の深層へ進入する。
✗ 3. 誤り
烏口腕筋
烏口腕筋は「筋皮神経」が貫通する筋である。筋皮神経は腕神経叢外側神経束から分かれ、烏口腕筋を貫いた後、上腕二頭筋と上腕筋の間を下行する。
✗ 4. 誤り
母指内転筋
母指内転筋は尺骨神経の支配を受ける手内筋であり、正中神経は通り抜けない。
ポイント
  • 中核要点: 正中神経の前腕通路は「円回内筋の2頭間」→「浅指屈筋腱弓」→「浅・深指屈筋の間」→「手根管」の順。円回内筋と浅指屈筋腱弓は絞扼部位となりうる。
  • 覚え方のコツ: 「正中神経は前腕を深く潜る:円回内筋→浅指屈筋腱弓→手根管の3関門」と通路を順序で覚える。
  • 関連知識: 上肢の筋内貫通・通過の有名な3例—烏口腕筋(筋皮神経貫通)、回外筋(橈骨神経深枝貫通)、円回内筋(正中神経通過)。
  • よくある間違い: 「正中神経は円回内筋を貫通する」と誤認する(実際は2頭の"間"を通過する)/烏口腕筋と円回内筋の神経を混同する。
  • 臨床応用: 円回内筋症候群では円回内筋レベルで正中神経絞扼が生じ、前腕屈筋群・母指球筋の筋力低下と母指〜薬指橈側半の感覚障害を呈する。手根管症候群との鑑別点は前腕屈筋群も障害される点。
比較表
絞扼部位 神経 臨床名
円回内筋2頭間 正中神経 円回内筋症候群
浅指屈筋腱弓 正中神経(前骨間神経) 前骨間神経症候群
手根管 正中神経 手根管症候群
回外筋(Frohse腱弓) 橈骨神経深枝 回外筋症候群
肘部管 尺骨神経 肘部管症候群
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題19|上肢の筋で正中神経が通り抜けるのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題19|上肢の筋で正中神経が通り抜けるのはどれか。
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