学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0949

理由で解く 解剖学

Q0949 運動器系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題18
問題
上肢の筋において橈骨神経によって貫かれるのはどれか。
選択肢
1 烏口腕筋
2 円回内筋
3 回外筋
4 腕橈骨筋
解答
正解3(回外筋)
解説
✗ 1. 誤り
烏口腕筋
烏口腕筋は「筋皮神経」に貫かれる。腕神経叢から分岐した筋皮神経が本筋を貫通して上腕の屈筋群を支配する。橈骨神経ではない。
✗ 2. 誤り
円回内筋
円回内筋は「正中神経」が上腕頭と尺骨頭の間を通って深部に入る通路となる(円回内筋症候群の絞扼部位)。橈骨神経に貫かれるわけではない。
✓ 3. 正しい
回外筋
回外筋は橈骨神経の深枝に貫かれる。橈骨神経は肘の前面で浅枝(感覚枝)と深枝(運動枝)に分かれ、深枝は回外筋のFrohse腱弓から筋内を貫通して後骨間神経となり、前腕背側の深層で伸筋群を支配する。回外筋を貫くこの通路で絞扼されると回外筋症候群(後骨間神経麻痺)を生じる。
✗ 4. 誤り
腕橈骨筋
腕橈骨筋は橈骨神経の支配を受けるが、神経に貫かれるわけではなく表層を走行する。橈骨神経は腕橈骨筋と上腕筋の間を下行する。
ポイント
  • 中核要点: 「筋を貫通する神経」の代表例は、①烏口腕筋=筋皮神経、②回外筋=橈骨神経深枝、③円回内筋=正中神経(2頭の間を通る)、の3つ。
  • 覚え方のコツ: 「貫通」のキーワードを筋ごとペアで暗記。「烏口腕筋=筋皮」「回外筋=橈骨深枝」「円回内筋=正中(通過)」。
  • 関連知識: 筋皮神経は腕神経叢外側神経束、橈骨神経は後神経束、正中神経はM字ワナ(内側+外側神経束)由来。
  • よくある間違い: 円回内筋を「正中神経に貫かれる」ではなく「橈骨神経」と混同する/腕橈骨筋を橈骨神経に貫かれる筋と誤認する。
  • 臨床応用: 回外筋症候群では後骨間神経麻痺により手指・母指伸展不能(下垂指)が生じるが、感覚障害は通常なし(下垂手との鑑別点)。
比較表
貫通/通過する神経 臨床的絞扼
烏口腕筋 筋皮神経(貫通) 筋皮神経麻痺
回外筋 橈骨神経深枝(貫通) 回外筋症候群
円回内筋 正中神経(2頭間を通過) 円回内筋症候群
腕橈骨筋 なし(表層を神経が走る)
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題18|上肢の筋において橈骨神経によって貫かれるのはどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題18|上肢の筋において橈骨神経によって貫かれるのはどれか。
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