学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0939

理由で解く 解剖学

Q0939 運動器系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題31
問題
尺骨神経支配の筋はどれか。
選択肢
1 尺側手根屈筋
2 橈側手根屈筋
3 浅指屈筋
4 長母指屈筋
解答
正解1(尺側手根屈筋)
解説
✓ 1. 正しい
尺側手根屈筋
尺側手根屈筋は前腕屈筋浅層最内側の筋で、尺骨神経支配である。上腕頭が内側上顆、尺骨頭が尺骨後縁から起こり、豆状骨・有鉤骨鈎・第5中手骨底に停止して手関節の屈曲(掌屈)と内転(尺屈)を行う。前腕屈筋群の中で尺骨神経支配となるのは、本筋と深指屈筋の尺側半分(第4・5指に向かう部分)の2筋のみである。豆状骨は本筋の停止腱にできた種子骨である。
✗ 2. 誤り
橈側手根屈筋
橈側手根屈筋は前腕屈筋浅層で内側上顆から起こり第2・3中手骨底に停止する。正中神経支配で、手関節の屈曲・外転(橈屈)を行う。
✗ 3. 誤り
浅指屈筋
浅指屈筋は前腕屈筋浅層の最深層にあり、正中神経支配で第2〜5指のMP・PIP関節を屈曲させる。手根管を通過する。
✗ 4. 誤り
長母指屈筋
長母指屈筋は前腕屈筋深層にあり、橈骨前面と前腕骨間膜から起こり母指末節骨底に停止。正中神経支配で母指IP関節を屈曲する。
ポイント
  • 中核要点: 前腕屈筋群のうち尺骨神経支配は「尺側手根屈筋」と「深指屈筋の尺側半(第4・5指に向かう部分)」の2筋のみ。他はすべて正中神経支配。
  • 覚え方のコツ: 「尺骨神経=尺側手根屈筋+深指屈筋の尺側」と"尺"でまとめる。尺側と尺骨神経のセットで理解すると混同しない。
  • 関連知識: 尺骨神経は手内筋の大部分(小指球筋・骨間筋・母指内転筋・短母指屈筋深頭・第3・4虫様筋)も支配する。手内筋の運動は主に尺骨神経が担う。
  • よくある間違い: 長掌筋を尺骨神経支配と誤認する(正中神経支配)/浅指屈筋を尺骨神経支配と誤認する(正中神経支配)。
  • 臨床応用: 肘部管症候群では肘部管での尺骨神経絞扼により、手内筋萎縮(鷲手)や尺側1.5指の感覚障害が生じる。
比較表
支配神経 停止
尺側手根屈筋 尺骨神経 豆状骨・第5中手骨底
橈側手根屈筋 正中神経 第2・3中手骨底
長掌筋 正中神経 手掌腱膜
浅指屈筋 正中神経 第2〜5指中節骨底
深指屈筋(橈側半) 正中神経 第2・3指末節骨底
深指屈筋(尺側半) 尺骨神経 第4・5指末節骨底
長母指屈筋 正中神経 母指末節骨底
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題31|尺骨神経支配の筋はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題31|尺骨神経支配の筋はどれか。
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