学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0938

理由で解く 解剖学

Q0938 運動器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題18
問題
手根管を通過しない筋はどれか。
選択肢
1 深指屈筋
2 長掌筋
3 長母指屈筋
4 浅指屈筋
解答
正解2(長掌筋)
解説
✗ 1. 誤り
深指屈筋
深指屈筋腱は4本とも手根管を通り、第2〜5指末節骨底に停止する。浅指屈筋腱とともに総腱滑液鞘に包まれる。
✓ 2. 正しい
長掌筋
長掌筋の腱は屈筋支帯の「浅層」を通過し手根管には入らない。手根部で屈筋支帯の上を表層に走行し、手掌で扇状に広がって手掌腱膜を形成する。手根管を通過する構造は、浅指屈筋腱4本・深指屈筋腱4本・長母指屈筋腱1本の計9本の腱と正中神経の合計10構造であり、長掌筋はこれに含まれない。また長掌筋は欠損例が約1割に見られ、臨床では腱移植のドナーとしても利用される。
✗ 3. 誤り
長母指屈筋
長母指屈筋腱は手根管を通過し、母指末節骨底に停止する。個別の腱滑液鞘(橈側滑液鞘)に包まれる。
✗ 4. 誤り
浅指屈筋
浅指屈筋腱は4本とも手根管を通過し、第2〜5指中節骨底に停止する。腱は停止直前で2分裂して裂孔をつくり、深指屈筋腱を通す。
ポイント
  • 中核要点: 手根管を通る構造は「9腱+正中神経」。9腱の内訳は浅指屈筋腱4本・深指屈筋腱4本・長母指屈筋腱1本。長掌筋腱は屈筋支帯の浅層を通り、手根管には入らない。
  • 覚え方のコツ: 「手根管の中身=指を動かす屈筋9本+正中神経」。長掌筋は「手掌腱膜になる表層の筋」で手根管の外側を走行する、と位置で覚える。
  • 関連知識: 屈筋支帯の浅層を通るもう1つの構造は尺側の尺骨神経管(ギヨン管)で、尺骨神経と尺骨動脈が通る。
  • よくある間違い: 尺骨神経が手根管を通ると誤認する(尺骨神経はギヨン管)/長掌筋腱を手根管内と勘違いする。
  • 臨床応用: 手根管症候群は手根管内圧上昇により正中神経が絞扼され、母指球筋萎縮・正中神経支配領域(母指〜環指橈側半)の感覚障害をきたす。夜間痛・Phalen徴候陽性が特徴。
比較表
構造 走行路
浅指屈筋腱(4本) 手根管内
深指屈筋腱(4本) 手根管内
長母指屈筋腱 手根管内
正中神経 手根管内
長掌筋腱 屈筋支帯の浅層
尺骨神経・尺骨動脈 尺骨神経管(ギヨン管)
橈側手根屈筋腱 屈筋支帯内の独立した管
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題18|手根管を通過しない筋はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題18|手根管を通過しない筋はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手