学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0912

理由で解く 解剖学

Q0912 運動器系

出典:あマ指 第34回(2026) 問題16
問題
前腕の筋とその停止部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 深指屈筋第2〜第5指末節骨底
2 円回内筋尺骨粗面
3 長掌筋中手骨底
4 腕橈骨筋橈骨粗面
解答
正解1(深指屈筋第2〜第5指末節骨底)
解説
✓ 1. 正しい
深指屈筋第2〜第5指末節骨底
深指屈筋は前腕屈筋群の深層筋で、尺骨前面と前腕骨間膜から起始し、4本の腱に分かれて手根管を通り、第2~5指の「末節骨底」(掌側)に停止する。浅指屈筋腱の間を貫いて通過し、DIP関節(遠位指節間関節)の屈曲を担う唯一の筋であることが臨床的に重要。支配神経は正中神経(橈側半)と尺骨神経(尺側半)の二重支配で、これは上肢で同一の筋が異なる神経支配を受ける代表例として国試でも頻出。深指屈筋のみが第2~5指の末節骨底に達し、DIP関節を屈曲させる。
✗ 2. 誤り
円回内筋尺骨粗面
円回内筋は上腕骨内側上顆と尺骨鉤状突起から起こり、「橈骨体の外側面中央(回内筋粗面)」に停止する。尺骨粗面に停止するのは上腕筋。
✗ 3. 誤り
長掌筋中手骨底
長掌筋は上腕骨内側上顆から起こり、屈筋支帯を越えて「手掌腱膜」に停止する。中手骨底に停止するのは橈側手根屈筋(第2中手骨底)や尺側手根屈筋(第5中手骨底の一部)、長・短橈側手根伸筋など。
✗ 4. 誤り
腕橈骨筋橈骨粗面
腕橈骨筋は上腕骨外側上顆稜から起こり、「橈骨茎状突起」(橈骨遠位外側端)に停止する。橈骨粗面に停止するのは上腕二頭筋。
ポイント
  • 深指屈筋は第2~5指末節骨底に停止し、DIP関節を屈曲させる唯一の筋(正中+尺骨神経の二重支配)。
  • 覚え方のコツ: 「深い=奥(末節)、浅い=手前(中節)」。深指屈筋=末節骨、浅指屈筋=中節骨、と深浅と停止位置を対応させる。
  • 関連知識: 浅指屈筋は第2~5指「中節骨底」に停止しPIP関節を屈曲、深指屈筋は「末節骨底」に停止しDIP関節を屈曲。手根管では両筋腱と長母指屈筋腱・正中神経が同時に通過。
  • よくある間違い: 停止部の混同 ― 上腕筋(尺骨粗面)、上腕二頭筋(橈骨粗面)、円回内筋(回内筋粗面=橈骨外側)、腕橈骨筋(橈骨茎状突起)を整理せずに覚えると迷う。
  • 臨床応用: 深指屈筋腱断裂(ジャージフィンガー)はラグビー・柔道で第4指(環指)に好発し、DIP関節の自動屈曲が不能となる。診断には各指のDIP関節を単独屈曲させるテストが有用。
比較表
前腕筋 起始 停止
深指屈筋 尺骨・骨間膜 第2~5指末節骨底
浅指屈筋 内側上顆・尺骨・橈骨 第2~5指中節骨底
上腕筋 上腕骨前面 尺骨粗面・鉤状突起
上腕二頭筋 関節上結節・烏口突起 橈骨粗面
円回内筋 内側上顆・尺骨鉤状突起 橈骨体外側(回内筋粗面)
長掌筋 内側上顆 手掌腱膜
腕橈骨筋 外側上顆稜 橈骨茎状突起
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題16|前腕の筋とその停止部位の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題16|前腕の筋とその停止部位の組合せで正しいのはどれか。
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