学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0913

理由で解く 解剖学

Q0913 運動器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題21
問題
手関節の運動で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 屈曲 - 短掌筋
2 伸展 - (総)指伸筋
3 内転(尺屈) - 尺側手根屈筋
4 外転(橈屈) - 長橈側手根伸筋
解答
正解1(屈曲 - 短掌筋)
解説
✓ 1. 誤り
屈曲 - 短掌筋
短掌筋は手掌腱膜から小指球表面の皮膚に至る皮筋であり、上肢唯一の皮筋である。機能は小指球の皮膚を緊張させるだけで、手関節の運動には関与しない。手関節の屈曲(掌屈)には橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋が働くため、この組合せは誤り。
✗ 2.
伸展 - (総)指伸筋
✗ 正しい。 総指伸筋は外側上顆から起こり第2〜5指に至る筋で、各指の伸展に加えて手関節の伸展(背屈)にも作用する。伸筋支帯の下を通って手背に入るため、手関節の伸展に関与する組合せとして正しい。
✗ 3.
内転(尺屈) - 尺側手根屈筋
✗ 正しい。 尺側手根屈筋は内側上顆と尺骨上半部後縁から起こり豆状骨・第5中手骨底に停止する。手関節の屈曲(掌屈)に加えて内転(尺屈)にも働くため、組合せは正しい。尺側手根伸筋と協調して手関節を尺屈する。
✗ 4.
外転(橈屈) - 長橈側手根伸筋
✗ 正しい。 長橈側手根伸筋は外側上顆から起こり第2中手骨底に停止する。手関節の伸展(背屈)と外転(橈屈)に働き、橈側手根屈筋と協調して橈屈するため、組合せは正しい。
ポイント
  • 短掌筋は上肢唯一の皮筋で小指球皮膚の緊張のみを行い、手関節運動には関与しない。手関節の屈曲には橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋が働く。
  • 覚え方のコツ: 「短掌筋=皮筋、皮膚しか動かさない」と例外として覚える。手関節運動は「屈伸=前後、橈屈・尺屈=左右」で、橈側の筋は橈屈、尺側の筋は尺屈と筋名の方向で判断できる。
  • 関連知識: 橈屈(外転)には橈側手根屈筋+長・短橈側手根伸筋が協働、尺屈(内転)には尺側手根屈筋+尺側手根伸筋が協働する。屈筋と伸筋が同時に働くことで軸を固定した運動が可能となる。
  • よくある間違い: 短掌筋と長掌筋を混同する(長掌筋は手関節屈曲に働く)/橈屈は「橈骨側に手を倒す」で母指側への動きと正確に対応させる。
  • 臨床応用: 正中神経麻痺では長掌筋・橈側手根屈筋・浅指屈筋などが麻痺して手関節の屈曲力が低下する。短掌筋は尺骨神経支配だが機能的寄与は小さい。
比較表
手関節の運動 協働する筋
屈曲(掌屈) 橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋
伸展(背屈) 長・短橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋
外転(橈屈) 橈側手根屈筋+長・短橈側手根伸筋
内転(尺屈) 尺側手根屈筋+尺側手根伸筋
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題21|手関節の運動で誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題21|手関節の運動で誤っている組合せはどれか。
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