学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0865

理由で解く 解剖学

Q0865 運動器系

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題17
問題
頭蓋冠について正しいのはどれか。
選択肢
1 新生児の前頭骨は左右に分かれている。
2 新生児の前頭骨と頭頂骨の間に小泉門がある。
3 成人の左右の頭頂骨の間に冠状縫合がある。
4 成人の前頭骨と頭頂骨の間にラムダ縫合がある。
解答
正解1(新生児の前頭骨は左右に分かれている。)
解説
✓ 1. 正しい
新生児の前頭骨は左右に分かれている。
新生児の前頭骨は膜内骨化で左右別々に骨化が進むため、出生時には左右2枚に分かれている。左右の前頭骨の間には正中の前頭縫合(中間縫合・額中縫合)があり、通常は生後1〜2年のうちに癒合して成人では1個の骨となるが、成人でも約8〜10%に残存することがある(遺残型前頭縫合、いわゆるメトピック縫合)。頭蓋冠の骨はいずれも膜内骨化による典型的な扁平骨で、出生時は骨化が不完全で周縁部に泉門が残る。
✗ 2. 誤り
新生児の前頭骨と頭頂骨の間に小泉門がある。
前頭骨と頭頂骨の間にできる膜性部は大泉門(前泉門)で、頭蓋冠前正中で菱形をなし最大である。閉鎖は約1.5〜2歳と最も遅い。小泉門(後泉門)は頭頂骨と後頭骨の間、すなわち後頭部に位置し、約3か月で閉鎖する最小・最速の泉門である。
✗ 3. 誤り
成人の左右の頭頂骨の間に冠状縫合がある。
左右の頭頂骨の間を前後に走る縫合は矢状縫合である。冠状縫合は前頭骨と頭頂骨の間で横方向に走る、頭蓋冠前方の縫合である。
✗ 4. 誤り
成人の前頭骨と頭頂骨の間にラムダ縫合がある。
前頭骨と頭頂骨の間の縫合は冠状縫合である。ラムダ縫合(人字縫合)は頭頂骨と後頭骨の間、後頭部にΛ字型に走る縫合で、位置が全く異なる。
ポイント
  • 新生児の前頭骨は左右に分かれ正中に前頭縫合をもつが、通常は生後1〜2年で癒合して成人では1個となる。
  • 覚え方のコツ: 縫合と泉門の位置は「前泉門(大)=前頭−頭頂/後泉門(小)=頭頂−後頭」、「冠状=前頭−頭頂(横)/矢状=頭頂−頭頂(縦)/ラムダ=頭頂−後頭(Λ)/鱗状=頭頂−側頭(うろこ)」の表で整理。
  • 関連知識: 頭蓋冠の骨はすべて膜内骨化由来の扁平骨(被蓋骨)で、骨化中心から周辺へ骨化が広がる。新生児では骨化未完成のため3骨以上の会合部に泉門が残り、産道通過時には骨片が重なり合って頭部が変形する(骨重積)。
  • よくある間違い: 大泉門と小泉門の位置を逆に覚える/矢状縫合と冠状縫合を取り違える/ラムダ縫合を前方と誤認する/「新生児の前頭骨は1個」と思い込む。
  • 臨床応用: 前頭縫合の早期癒合では頭蓋前部が三角形にとがる三角頭蓋、矢状縫合の早期癒合では舟状頭蓋、冠状縫合の早期癒合では短頭蓋となる。これら狭頭症は脳発育を妨げるため早期の外科的治療が検討される。
比較表
選択肢 正誤 正しい内容
新生児の前頭骨は左右に分かれる 前頭縫合(中間縫合)で連結、1〜2歳で癒合
前頭骨と頭頂骨の間に小泉門 × そこにあるのは大泉門(小泉門は後頭部)
左右の頭頂骨の間に冠状縫合 × 正しくは矢状縫合
前頭骨と頭頂骨の間にラムダ縫合 × 正しくは冠状縫合(ラムダは後頭部)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題17|頭蓋冠について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題17|頭蓋冠について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手