学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0812

理由で解く 解剖学

Q0812 運動器系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題17
問題
滑膜性の関節をつくる骨の部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肩峰 ― 上腕骨頭
2 大菱形骨 ― 第1 中手骨底
3 寛骨臼 ― 大転子
4 外果 ― 距骨頭
解答
正解2(大菱形骨 ― 第1 中手骨底)
解説
✗ 1. 誤り
肩峰 ― 上腕骨頭
肩関節は上腕骨頭と肩甲骨「関節窩」でつくる球関節である。肩峰は肩甲棘の外側端で鎖骨と肩鎖関節をつくる部位であり、上腕骨頭と直接関節はしない。
✓ 2. 正しい
大菱形骨 ― 第1 中手骨底
大菱形骨と第1中手骨底がつくる母指の手根中手関節(母指CM関節)は、ウマの鞍形をした可動性の高い鞍関節(滑膜性関節)である。対面する2つの関節面が鞍状に直交する形をとり、屈曲・伸展・外転・内転・対立運動が可能で、母指の広い運動域を支えている。他指のCM関節(第2~5中手骨と小菱形骨・有頭骨・有鉤骨)は共通の関節包でほとんど動かない半関節であるのに対し、母指のCM関節は独立した関節包をもち大きな可動性をもつ点が特徴である。
✗ 3. 誤り
寛骨臼 ― 大転子
股関節は寛骨臼と大腿骨「頭」がつくる球関節(臼状関節)である。大転子は大腿骨上端の外側で中殿筋などの停止部位となるが、関節面には関与しない。
✗ 4. 誤り
外果 ― 距骨頭
距腿関節は脛骨下端と腓骨下端(外果)が距骨「滑車」を両側から挟んで関節する。距骨「頭」は距骨前方で舟状骨と関節する部位(距踵舟関節)であり、外果とは関節しない。
ポイント
  • 母指CM関節(大菱形骨-第1中手骨底)は滑膜性の鞍関節で、母指の対立運動を可能にする。
  • 覚え方のコツ: 「母指だけはクラ(鞍)で動く」。他指のCM関節は半関節でほぼ動かないのと対比で覚える。
  • 関連知識: 滑膜性関節は球関節・鞍関節・楕円関節・蝶番関節・車軸関節・平面関節・顆状関節に分類される。鞍関節の代表例は母指CM関節。
  • よくある間違い: 肩関節を「肩峰+上腕骨頭」と誤る/股関節を「寛骨臼+大転子」と誤る。関節面を構成するのは関節窩と骨頭である。
  • 臨床応用: 母指CM関節はOA(変形性関節症)の好発部位で、中高年女性に多く「母指CM関節症」として疼痛・対立障害を起こす。親指で物を摘む動作で痛みが増強する。
比較表
関節 構成骨の部位 関節型
肩関節 肩甲骨関節窩 ― 上腕骨頭 球関節
母指CM関節 大菱形骨 ― 第1中手骨底 鞍関節
股関節 寛骨臼 ― 大腿骨頭 臼状関節(球関節)
距腿関節 脛骨下端・外果 ― 距骨滑車 蝶番関節
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題17|滑膜性の関節をつくる骨の部位の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題17|滑膜性の関節をつくる骨の部位の組合せで正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手