学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ D. 胸郭 / Q0798

理由で解く 解剖学

Q0798 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題32
問題
胸腔の形成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 胸骨
2 肋骨
3 横隔膜
4 胸膜
解答
正解4(胸膜)
解説
✗ 1.
胸骨
✗ 正しい。 胸骨は胸郭前部の正中に位置するネクタイ型の扁平骨で、胸骨柄・胸骨体・剣状突起の3部からなる。胸郭の前壁を構成し、胸腔を形成する骨要素である。
✗ 2.
肋骨
✗ 正しい。 12対の肋骨は弓なりに曲がって胸郭の側壁をつくる。後方は胸椎と関節し、前方は肋軟骨を介して胸骨に連結することで、鳥カゴ状の胸郭と胸腔を形成する。
✗ 3.
横隔膜
✗ 正しい。 横隔膜は胸腔と腹腔を隔てるドーム状の骨格筋で、胸腔の下壁(底)を構成する。胸骨・肋骨・脊柱とともに胸腔を囲い、呼吸運動の主動筋としても働く。
✓ 4. 誤り
胸膜
胸膜は肺表面(臓側胸膜)と胸郭内面・横隔膜上面・縦隔側面(壁側胸膜)を覆う漿膜であり、胸腔を「形成する」骨格構造ではない。胸郭は胸椎12個・肋骨12対・胸骨1個の合計37個の骨と横隔膜で構築される空間であり、胸膜はそのなかで肺を包み胸膜腔という潤滑空間をつくるに過ぎない。胸膜腔は陰圧に保たれ呼吸運動に伴う肺の滑らかな動きを支えるが、胸腔そのものの壁をつくる要素ではない点が本問の鑑別ポイントである。
ポイント
  • 胸腔を形成する要素は胸椎・肋骨・胸骨(計37個の骨)+横隔膜であり、胸膜は内張りの漿膜で骨格構造ではない。
  • 覚え方のコツ: 「胸郭=箱(骨+横隔膜)/胸膜=中の袋」。箱を作るのは骨と筋、袋は肺を包むだけ。
  • 関連知識: 胸郭上口は第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄上縁で構成され、食道・気管・総頸動脈・鎖骨下動脈などが通過する。胸郭下口は横隔膜で閉じられる。
  • よくある間違い: 「胸膜=胸腔の壁」と混同。胸膜は胸腔の内側を裏打ちするだけで、胸腔を構築する骨格構造ではない。
  • 臨床応用: 気胸では胸膜腔の陰圧が失われ肺が虚脱する。外傷性気胸・自然気胸の鑑別には胸郭構造(肋骨骨折の有無)の確認が必須。
比較表
構造 胸腔形成への関与 説明
胸骨 ○(前壁) 胸骨柄・胸骨体・剣状突起
肋骨 ○(側壁) 12対、肋軟骨を介し胸骨へ
胸椎 ○(後壁) 12個、肋骨頭・横突肋骨窩
横隔膜 ○(下壁) 胸腔と腹腔を隔てる
胸膜 ×(内張り漿膜) 肺と胸郭内面を覆うのみ
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題32|胸腔の形成に関与しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題32|胸腔の形成に関与しないのはどれか。
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