学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0793

理由で解く 解剖学

Q0793 運動器系

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題15
問題
頸椎について正しいのはどれか。
選択肢
1 横突孔がある。
2 後弯している。
3 第 6 頸椎は隆椎である。
4 軸椎は後頭骨との関節面をもつ。
解答
正解1(横突孔がある。)
解説
✓ 1. 正しい
横突孔がある。
頸椎の横突起には左右1対の横突孔が開いており、これは頸椎に特有の構造である(胸椎・腰椎にはない)。C1〜C6の横突孔には椎骨動脈とその伴行静脈が通り、椎骨動脈は鎖骨下動脈から分岐して上行し、C1横突孔を出て大後頭孔から頭蓋内へ入って脳底動脈に合流する。横突孔は発生学的には肋骨成分(前部)と本来の横突起(後部)の間に残った隙間に相当し、前方の突起が前結節、後方が後結節となる。
✗ 2. 誤り
後弯している。
頸部脊柱は生理的に「前弯」する二次弯曲である。新生児では全脊柱が後弯(一次弯曲)しているが、生後3ヶ月頃に首がすわると頭部の重みに適応して頸部が前弯に転じる。胸部と仙骨部のみが後弯として残る。
✗ 3. 誤り
第 6 頸椎は隆椎である。
隆椎は第「7」頸椎(C7)である。C7の棘突起は水平後方に長く伸びて体表から容易に触知でき、頭部を前屈させると項部後面に最も目立つ隆起として現れる。この隆椎は椎骨の位置を数える起点となる。
✗ 4. 誤り
軸椎は後頭骨との関節面をもつ。
後頭骨(後頭顆)と関節するのは「環椎(C1)」の上関節窩であり、環椎後頭関節を形成する。軸椎(C2)は環椎と関節する(正中環軸関節・外側環軸関節)ものの、後頭骨とは直接関節しない。
ポイント
  • 横突孔は頸椎に特有の構造で、C1〜C6に椎骨動脈が通る。C7では椎骨動脈は通らない(椎骨静脈のみ)。
  • 覚え方のコツ: 「頸椎=横突孔」「胸椎=肋骨窩」「腰椎=大きな椎体」と部位特有構造を結びつける。「隆椎=C7(最も長い棘突起)」「環椎=C1(輪)」「軸椎=C2(歯突起の軸)」。
  • 関連知識: 環椎は椎体を欠きリング状、軸椎は歯突起をもつ。環椎後頭関節(楕円関節)で頭部屈伸、正中環軸関節(車軸関節)で頭部回旋を担う。中位頸椎の棘突起は2裂し、項靭帯の付着部となる。
  • よくある間違い: 頸椎を後弯と誤る/隆椎をC6と誤る/軸椎が後頭骨と関節すると誤る(関節するのは環椎)。
  • 臨床応用: 頸椎症により椎骨動脈が圧迫されると椎骨脳底動脈循環不全を起こし、めまい・失神を生じる(Bow Hunter症候群など)。C7棘突起は体表指標として椎骨の同定に用いる。
比較表
頸椎の番号 特徴
C1(環椎) 椎体・棘突起を欠く、後頭骨と環椎後頭関節
C2(軸椎) 歯突起をもつ、環椎と正中・外側環軸関節
C3〜C6 典型的頸椎、棘突起は短く2裂、横突孔に椎骨動脈
C7(隆椎) 棘突起が最長・体表触知可、横突孔に椎骨動脈は通らず
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題15|頸椎について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題15|頸椎について正しいのはどれか。
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