学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0794

理由で解く 解剖学

Q0794 運動器系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題15
問題
成人の仙骨について正しいのはどれか。
選択肢
1 前弯をなす。
2 仙骨管には脊髄が通る。
3 外側仙骨稜は横突起に相当する。
4 仙骨角は骨盤の分界線を構成する。
解答
正解3(外側仙骨稜は横突起に相当する。)
解説
✗ 1. 誤り
前弯をなす。
仙骨部の生理的弯曲は「後弯」である。脊柱全体では胸部と仙骨部が後弯(一次弯曲、胎児期から残存)、頸部と腰部が前弯(二次弯曲)で、S字型をなす。仙骨は骨盤内で後方に凹面を向ける形で湾曲する。
✗ 2. 誤り
仙骨管には脊髄が通る。
脊髄は成人では第1〜2腰椎(L1/L2)の高さで脊髄円錐として終わるため、仙骨管内を通るのは脊髄そのものではなく、腰仙骨神経根の束である「馬尾」である。仙骨管下端の仙骨裂孔まで脊髄硬膜管(硬膜嚢)が下り、その中をS1〜S5・Co1神経根などが走行する。
✓ 3. 正しい
外側仙骨稜は横突起に相当する。
成人では5個の仙椎が癒合して1個の仙骨を形成し、その過程で仙骨後面に3対(正中を含めて3本)の稜線が残る。正中仙骨稜は棘突起の癒合痕、中間仙骨稜は椎間関節(関節突起)の癒合痕、外側仙骨稜は横突起と肋骨成分の癒合痕である。外側仙骨稜は耳状面の後方で仙結節靭帯や後仙腸靭帯の付着部となり、仙腸関節の安定に寄与する。
✗ 4. 誤り
仙骨角は骨盤の分界線を構成する。
仙骨角は仙骨後面下端、仙骨裂孔の両側にある1対の突起(S5下関節突起に相当)で、殿裂の奥で触知できる。骨盤の分界線(骨盤上口の縁)を構成するのは、仙骨の岬角・弓状線(腸骨)・恥骨櫛・恥骨結節であり、仙骨角は関与しない。
ポイント
  • 仙骨後面の3対の稜は「正中=棘突起/中間=椎間関節/外側=横突起+肋骨成分」の癒合痕で、骨盤分界線は岬角+弓状線+恥骨櫛+恥骨結節が構成する。
  • 覚え方のコツ: 仙骨は「後弯(胎児期から残る一次弯曲)」。脊髄は「L1/L2で終わる」→仙骨管には馬尾のみ。骨盤分界線は「岬→弓→櫛→結節」と上から順に辿る。
  • 関連知識: 仙腸関節は耳状面で寛骨の腸骨と関節し、仙腸靭帯と仙結節靭帯・仙棘靭帯で強固に固定される(半関節)。腰仙角(仙骨底と腰椎下面のなす角)は約30度。
  • よくある間違い: 仙骨を前弯と誤る/仙骨管に脊髄が通ると勘違い(通るのは馬尾)/仙骨角を骨盤入口の一部と混同する。
  • 臨床応用: 仙骨管には脊髄でなく馬尾があるため、仙骨裂孔から針を刺入する仙骨硬膜外麻酔は脊髄損傷のリスクが小さい。小児の会陰部・下肢手術、無痛分娩に用いられる。
比較表
仙骨の特徴 内容
構成 5個の仙椎が癒合して1個(思春期以降)
逆三角形、後方に凸の後弯
後面の3対の稜 正中仙骨稜(棘突起)、中間仙骨稜(椎間関節)、外側仙骨稜(横突起+肋骨)
内部 仙骨管(脊柱管の続き、馬尾が通る)、前・後仙骨孔(椎間孔、仙骨神経前枝・後枝)
外側面 耳状面で寛骨と仙腸関節
下端 仙骨尖(尾骨と関節)、仙骨裂孔、仙骨角
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題15|成人の仙骨について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題15|成人の仙骨について正しいのはどれか。
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