学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0789

理由で解く 解剖学

Q0789 運動器系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題17
問題
頸椎について正しいのはどれか。
選択肢
1 生理的後湾がある。
2 椎骨動脈は第 7 頸椎の横突孔を通る。
3 環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。
4 環椎横靭帯は歯突起前面を覆う。
解答
正解3(環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。)
解説
✗ 1. 誤り
生理的後湾がある。
頸部脊柱は生理的に「前弯」する。新生児では一次弯曲として全体に後弯しているが、生後3ヶ月頃に首がすわると頸椎が前弯に転じる(二次弯曲)。胸部と仙骨部が後弯、頸部と腰部が前弯であり、全体でS字カーブを描く。
✗ 2. 誤り
椎骨動脈は第 7 頸椎の横突孔を通る。
椎骨動脈は鎖骨下動脈から分岐後、C6横突孔から進入して上行し、C1横突孔を出て大後頭孔から頭蓋内へ入る。つまり通過するのはC1〜C6の横突孔であって、C7の横突孔は通らない(C7にも横突孔は存在するが椎骨静脈のみが通る)。
✓ 3. 正しい
環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。
環椎後頭関節は後頭骨の後頭顆と環椎(C1)の上関節窩がなす左右1対の楕円関節で、頭部の前後屈(うなずき運動)と軽度の側屈を担う。回旋運動はこの関節ではなく、下位の正中環軸関節(軸椎歯突起を軸に環椎が回旋する車軸関節)で行われる。頭部の「はい(屈伸)」は環椎後頭関節、「いいえ(回旋)」は環軸関節と区別するとわかりやすい。
✗ 4. 誤り
環椎横靭帯は歯突起前面を覆う。
環椎横靭帯は環椎椎孔内を水平に張り、軸椎歯突起の「後面」を後方から抑え込む。歯突起の前面は環椎前弓内面の歯突起窩と接して正中環軸関節を形成しており、靭帯ではなく関節面が前面にあたる。
ポイント
  • 環椎後頭関節(楕円関節)は頭部の屈伸と側屈、正中環軸関節(車軸関節)は頭部の回旋を担う。
  • 覚え方のコツ: 「はい=後頭関節(屈伸)」「いいえ=環軸関節(回旋)」と頷き・首振りの2動作で関節を対応させる。椎骨動脈は「C6から入ってC1から出る」。
  • 関連知識: 頸椎の生理的弯曲は前弯。C1〜C6の横突孔を椎骨動脈が上行し、頭蓋内で合流して脳底動脈となる。C7(隆椎)の棘突起は体表から触知でき、椎骨の位置同定の基準点となる。
  • よくある間違い: 頸椎を「後弯」と誤る/椎骨動脈がC7も通ると誤解/環椎横靭帯を歯突起の前面と勘違いする(正しくは後面)。
  • 臨床応用: 頸椎症やリウマチで環椎横靭帯が伸長・破綻すると歯突起が後方偏位し、脊髄を圧迫して四肢麻痺や突然死を起こす。椎骨動脈はむち打ちや頸椎施術で損傷し脳底動脈循環不全の原因となる。
比較表
関節 形式 運動
環椎後頭関節 楕円関節 頭部の屈伸(うなずき)、軽度の側屈
外側環軸関節 平面関節 環椎と軸椎の滑り運動(わずか)
正中環軸関節 車軸関節 頭部の回旋(いいえ運動)
椎間関節(C2以下) 平面関節 頸部の屈伸・側屈・回旋
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題17|頸椎について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題17|頸椎について正しいのはどれか。
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