学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ B. 筋系総論 / Q0775

理由で解く 解剖学

Q0775 運動器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題18
問題
筋と補助装置の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 下斜筋――――滑車
2 三角筋――――滑液包
3 長掌筋――――腱鞘
4 下腿三頭筋――骨間膜
解答
正解2(三角筋――――滑液包)
解説
✗ 1. 誤り
下斜筋――――滑車
外眼筋のなかで滑車を利用する筋は「上斜筋」であり、下斜筋ではない。上斜筋の腱は前頭骨の内側上壁にある滑車を通って方向転換したのち眼球後外側に停止する。下斜筋は眼窩底から直接眼球下面に停止し、滑車を用いない。
✓ 2. 正しい
三角筋――――滑液包
滑液包は筋や腱が骨・靭帯・他の筋に押しつけられる部位で、両者の間の摩擦を減らすための滑液の溜まった扁平な袋状の構造である。肩関節周囲には三角筋下滑液包・肩峰下滑液包などが発達しており、三角筋と肩峰・棘上筋腱の間の摩擦を軽減している。特に肩関節のような大きな可動域を持つ関節では滑液包の発達が目立ち、肩や膝では関節腔と交通するものもある。
✗ 3. 誤り
長掌筋――――腱鞘
長掌筋の腱は屈筋支帯の浅層を通って手掌腱膜に移行する筋で、手根管(屈筋支帯の深層)を通らず腱鞘にも包まれない。腱鞘をもつのは手根管を通る長母指屈筋・浅指屈筋・深指屈筋などの腱で、長掌筋腱は表層を走るだけで独自の腱鞘はない。
✗ 4. 誤り
下腿三頭筋――骨間膜
下腿骨間膜は脛骨と腓骨の骨間縁を結ぶ線維膜で、両面に下腿の屈筋群・伸筋群が起始する。下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)は大腿骨・脛骨・腓骨の後面から起こりアキレス腱を介して踵骨隆起に停止する筋で、骨間膜との直接の起始関係は薄い。補助装置としての骨間膜の主な利用者は前脛骨筋・長指伸筋・後脛骨筋・長母指屈筋などである。
ポイント
  • 筋の補助装置は①筋膜・筋間中隔、②滑液包、③腱鞘、④滑車、⑤種子骨の5種で、三角筋と肩峰の間には肩峰下滑液包が発達する。
  • 覚え方のコツ: 補助装置の5分類を「マ・カ・ケ・シャ・シュ(膜・滑液包・腱鞘・滑車・種子骨)」でリズム化。滑車は「上斜筋(眼)」、種子骨は「膝蓋骨(最大)」と象徴例を結びつける。
  • 関連知識: 膝蓋骨は大腿四頭筋腱中に生じた巨大な種子骨。腱鞘は手首・足首を通る長い腱に多い。腸脛靭帯は筋膜の肥厚として大殿筋・大腿筋膜張筋の停止腱代わりとなる。
  • よくある間違い: 「下斜筋=滑車」と記憶(正しくは上斜筋)/長掌筋が手根管を通ると誤解(浅層を通過し腱鞘なし)/下腿三頭筋と骨間膜を結びつける(骨間膜の主な利用者は前脛骨筋や後脛骨筋など)。
  • 臨床応用: 肩峰下滑液包の炎症は肩関節周囲炎(五十肩)の主要病態。上肢挙上時痛(painful arc)を呈し、外転60〜120度で疼痛が顕著となる。
比較表
補助装置 機能 代表例
筋膜・筋間中隔 筋を包み群分け 大腿筋膜→腸脛靭帯
滑液包 摩擦軽減(滑液袋) 肩峰下滑液包(三角筋下)
腱鞘 長い腱を包み滑走を助ける 手根管内の屈筋腱・伸筋支帯下の腱
滑車 腱の走行方向を変える 上斜筋の滑車
種子骨 腱内の骨、摩擦軽減とてこ 膝蓋骨(大腿四頭筋腱)、豆状骨
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題18|筋と補助装置の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題18|筋と補助装置の組合せで正しいのはどれか。
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