学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0776

理由で解く 解剖学

Q0776 運動器系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題17
問題
弾性線維を多量に含むのはどれか。
選択肢
1 前縦靭帯
2 後縦勒帯
3 黄色勒帯
4 環椎横靭帯
解答
正解3(黄色勒帯)
解説
✗ 1. 誤り
前縦靭帯
前縦靭帯は椎体前面を上下に走る膠原線維主体の密性結合組織で、脊柱の過伸展を抑える役割を持つ。弾性線維に富むわけではない。
✗ 2. 誤り
後縦勒帯
後縦靭帯は椎体後面(脊柱管内)を上下に走る膠原線維主体の靭帯で、脊柱の過屈曲を制限する。弾性線維に富むわけではない。
✓ 3. 正しい
黄色勒帯
黄色靭帯は椎弓間を結ぶ靭帯で、名前の通り弾性線維を多量に含み淡黄色を呈する。弾性線維の集合は黄色く見えるためこの色調となり、脊柱の屈曲・伸展に応じて伸縮し、屈曲位からの復位を助ける。弾性線維を多量に含む構造は他に大動脈壁・弾性軟骨(耳介軟骨など)・項靭帯などがあり、伸縮性が求められる部位に共通する。
✗ 4. 誤り
環椎横靭帯
環椎横靭帯は環椎(C1)の内側で歯突起を固定する強靭な膠原線維性靭帯で、弾性線維主体ではない。頭蓋骨と頚椎の安定に関わる。
ポイント
  • 黄色靭帯・項靭帯・大動脈壁・弾性軟骨は弾性線維を多量に含む。
  • 覚え方のコツ: 「黄色=弾性線維の色」。エラスチン(弾性線維主成分)が多い構造は黄色く見える、と色と成分を結びつけて記憶。
  • 関連知識: 弾性線維はエラスチンを主成分とし、2倍まで伸びて元に戻る。膠原線維(コラーゲン)は引っ張りに強く伸びないので役割が異なる。脊柱では前後縦靭帯(膠原)と黄色靭帯(弾性)で機能分担している。
  • よくある間違い: 前・後縦靭帯を弾性線維性と誤る(膠原線維主体)/環椎横靭帯を弾性靭帯と誤る(強靭な膠原線維)。
  • 臨床応用: 加齢に伴う黄色靭帯の肥厚は脊柱管狭窄症の原因となり、神経根圧迫により下肢痛・間欠性跛行を起こす。大動脈の弾性線維破壊は大動脈瘤・解離の基盤。
比較表
線維の種類 主成分 機能 代表的な存在部位
膠原線維 コラーゲン 引っ張りに強い 腱、靭帯(前・後縦、環椎横)、真皮
細網線維 コラーゲン(細い) 網状の足場 脾臓、リンパ節、骨髄
弾性線維 エラスチン 伸縮性(2倍伸びる) 大動脈壁、弾性軟骨、黄色靭帯、項靭帯
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題17|弾性線維を多量に含むのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題17|弾性線維を多量に含むのはどれか。
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