学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ A. 骨格系総論 / Q0746

理由で解く 解剖学

Q0746 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題16
問題
膜内骨化によって形成される骨はどれか。
選択肢
1 前頭骨
2 上腕骨
3 肋骨
4 腸骨
解答
正解1(前頭骨)
解説
✓ 1. 正しい
前頭骨
前頭骨は頭蓋冠の前面を構成する扁平骨で、胎生期に結合組織(間葉)の膜内で直接骨芽細胞が骨組織をつくる「膜内骨化(結合組織性骨化)」によって形成される。同様に膜内骨化でつくられる骨には頭頂骨・後頭骨上部・側頭骨鱗部・顔面骨の多く・鎖骨などがあり、頭蓋冠と鎖骨が代表例とされる。
✗ 2. 誤り
上腕骨
上腕骨は長骨であり、他の四肢の長管骨と同様に胎生期に硝子軟骨のひな形ができ、それが骨に置き換わる「軟骨内骨化(置換骨化)」で形成される。膜内骨化ではない。
✗ 3. 誤り
肋骨
肋骨は胸郭を構成する扁平骨であるが、発生学的には軟骨原基から置換される軟骨内骨化でつくられる。形態が扁平であっても発生様式が軟骨性であるため、膜内骨化ではない。
✗ 4. 誤り
腸骨
腸骨は寛骨を構成する扁平骨で、軟骨内骨化により形成される。成長期には寛骨の腸骨・坐骨・恥骨が合わさる部位にY字軟骨(骨端軟骨)が残り、ここが骨化することで寛骨全体が一塊の骨となる。膜内骨化ではない。
ポイント
  • 膜内骨化でつくられる代表は頭蓋冠(前頭骨・頭頂骨など)・顔面骨の多く・鎖骨である。
  • 覚え方のコツ: 「顔と頭のテッペンと鎖骨=膜内骨化」「それ以外の長骨・体幹の骨=軟骨内骨化」でざっくり区別。
  • 関連知識: 膜内骨化では間葉細胞→骨芽細胞が直接骨を形成し、軟骨内骨化では硝子軟骨モデル→破壊→骨への置換が起こる。両者が混在する骨もある(鎖骨の一部など)。
  • よくある間違い: 肋骨は扁平骨だから膜内骨化と誤解する/腸骨など寛骨を膜内骨化と誤答する。発生様式は形状ではなく発生経路で決まる。
  • 臨床応用: 頭蓋冠は膜内骨化で発生するため出生時には骨間に膜性結合組織(大泉門・小泉門)が残り、産道通過時の変形と出生後の脳発育を可能にする。大泉門は1歳半頃までに閉鎖する。
比較表
骨化様式 主な骨 発生過程
膜内骨化 頭蓋冠(前頭骨・頭頂骨)、顔面骨の多く、鎖骨 間葉→骨芽細胞→骨(軟骨を経ない)
軟骨内骨化 四肢の長骨、椎骨、肋骨、寛骨、頭蓋底骨の多く 硝子軟骨原基→軟骨破壊→骨に置換
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題16|膜内骨化によって形成される骨はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題16|膜内骨化によって形成される骨はどれか。
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