学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0728

理由で解く 解剖学

Q0728 感覚器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題33
問題
内部に有毛細胞が存在しないのはどれか。
選択肢
1 半規管膨大部
2 平衡斑
3 ラセン器
4 鼓室階
解答
正解4(鼓室階)
解説
✗ 1.
半規管膨大部
✗ 正しい。 半規管膨大部の膨大部稜には背の高い有毛細胞があり、頭部の回転加速度を感受する。感覚毛がクプラに埋まり、内リンパの慣性流動で屈曲して機械刺激が電気信号に変換される。
✗ 2.
平衡斑
✗ 正しい。 平衡斑(卵形嚢・球形嚢内面)には背の高い有毛細胞があり、表面のゼリー状平衡砂膜に乗った炭酸カルシウム結晶(耳石)の慣性で感覚毛が屈曲し直線加速度を感受する。
✗ 3.
ラセン器
✗ 正しい。 ラセン器(コルチ器)は蝸牛管の基底板上にある聴覚受容器で、内有毛細胞・外有毛細胞という2種類の有毛細胞をもつ。基底板の振動で感覚毛が蓋膜にこすれて屈曲し聴覚信号を生む。
✓ 4. 誤り
鼓室階
鼓室階は蝸牛の3階構造の最下階(1階)で、外リンパで満たされた振動伝達路にすぎず、感覚受容器をもたない。前庭階を上って蝸牛頂で折り返し、鼓室階を下って蝸牛窓(正円窓)で消失する単なる外リンパの通路である。コルチ器(有毛細胞)が存在するのは中2階の蝸牛管(膜迷路、内リンパ充填)のみで、その上下を挟む前庭階と鼓室階はいずれも有毛細胞をもたない。設問は「有毛細胞が存在しない」を選ばせるため、感覚装置を欠く本選択肢が正解となる。前庭階と鼓室階を区別の鍵にする。
ポイント
  • 内耳の有毛細胞は3カ所=コルチ器(蝸牛管)・平衡斑(卵形嚢・球形嚢)・膨大部稜(半規管膨大部)。鼓室階・前庭階は外リンパが満たすだけで有毛細胞はない。
  • 覚え方のコツ: 「有毛=3カ所(コルチ・平衡斑・膨大部稜)」「鼓室階=振動の通り道」と機能で対比。受容器を持つかどうかで有毛細胞の有無を判定。
  • 関連知識: 前庭階と鼓室階は蝸牛頂部の蝸牛孔で連通し、外リンパで満たされる。鼓室階は蝸牛窓(正円窓)で消失し、前庭階は前庭窓(卵円窓)に始まる。
  • よくある間違い: 「鼓室階」を「鼓室」(中耳)と混同しがち。鼓室階は蝸牛内(内耳)の階層名で、外リンパが流れる振動伝達路。中耳の鼓室は空気腔。
  • 臨床応用: 外有毛細胞は耳毒性薬剤(アミノグリコシド系・シスプラチン)や騒音曝露で選択的に傷害されやすく、不可逆的な感音性難聴を生じる。再生能力に乏しいため聴力回復は困難。
比較表
部位 有毛細胞の有無 機能
蝸牛管(コルチ器) あり 聴覚
卵形嚢・球形嚢(平衡斑) あり 直線加速度
半規管膨大部(膨大部稜) あり 回転加速度
前庭階・鼓室階 なし 外リンパによる振動伝達
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題33|内部に有毛細胞が存在しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題33|内部に有毛細胞が存在しないのはどれか。
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