学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0729

理由で解く 解剖学

Q0729 感覚器系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題35
問題
聴覚器と関係ないのはどれか。
選択肢
1 耳神経節
2 蝸牛神経
3 鼓室
4 ラセン器
解答
正解1(耳神経節)
解説
✓ 1. 誤り
耳神経節
耳神経節は舌咽神経(IX)の副交感神経の節後線維発出部で、卵円孔の直下に位置し、耳下腺の分泌(節後線維は耳介側頭神経に乗って耳下腺に分布)を支配する自律神経節である。「耳」の名はつくが舌咽神経副交感の中継節であり、聴覚伝達経路とは無関係。設問は「聴覚器と関係ないもの」を選ばせるため、本選択肢が正解となる。耳介側頭神経・舌咽神経・耳下腺・分泌神経という連鎖は唾液分泌に関わるもので、蝸牛・蝸牛神経・コルチ器・鼓室といった聴覚伝達の構造系とは別系統であることを明確に区別する。
✗ 2.
蝸牛神経
✗ 正しい。 蝸牛神経は内耳神経(VIII)の一根で、ラセン神経節の双極神経細胞からなり、蝸牛のコルチ器の有毛細胞からの聴覚情報を蝸牛神経核へ伝える。聴覚器と直接関係する。
✗ 3.
鼓室
✗ 正しい。 鼓室は中耳の空気腔で、3個の耳小骨を収め、鼓膜の振動を内耳の前庭窓に伝える音響伝達の中核空間である。聴覚伝音路の本体として聴覚器に直接関係する。
✗ 4.
ラセン器
✗ 正しい。 ラセン器(コルチ器)は蝸牛管の基底板上にある聴覚受容器そのもの。有毛細胞が音波を電気信号に変換し蝸牛神経に伝える聴覚成立の中核装置で、聴覚器の本体である。
ポイント
  • 耳神経節は舌咽神経(IX)副交感神経の節後線維発出部で、耳下腺の分泌調節を担う自律神経節。聴覚伝達系(鼓室・蝸牛・蝸牛神経・コルチ器)とは別系統。
  • 覚え方のコツ: 頭頸部の副交感神経節は4つ:毛様体節(III)・翼口蓋節(VII)・顎下腺節(VII)・耳神経節(IX)。「耳」と名がつくが聴覚ではなく耳下腺の分泌支配。
  • 関連知識: 耳神経節への節前線維はIX→鼓室神経→小錐体神経の経路で到達。節後線維はV3の耳介側頭神経に乗って耳下腺へ分布。聴覚伝導路と地理的に近接するが機能的には別。
  • よくある間違い: 「耳神経節」の名称から「耳の神経節=聴神経の節」と直感的に誤認しやすい。聴覚の一次ニューロン細胞体はラセン神経節、平衡覚は前庭神経節(スカルパ神経節)が正解。
  • 臨床応用: 耳神経節の障害(外科操作・腫瘍・自己免疫)では耳下腺の唾液分泌低下を生じる。聴覚障害と関連がない点で他の「耳」がつく構造との鑑別が必要。
比較表
頭頸部の副交感神経節 節前線維起源 支配対象
毛様体節 動眼神経(III) 瞳孔括約筋・毛様体筋
翼口蓋節 顔面神経(VII) 涙腺・鼻腺
顎下腺節 顔面神経(VII) 顎下腺・舌下腺
耳神経節 舌咽神経(IX) 耳下腺
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題35|聴覚器と関係ないのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題35|聴覚器と関係ないのはどれか。
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