学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0727

理由で解く 解剖学

Q0727 感覚器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題38
問題
コルチ器があるのはどれか。
選択肢
1 卵形嚢
2 半規管
3 蝸牛管
4 耳 管
解答
正解3(蝸牛管)
解説
✗ 1. 誤り
卵形嚢
卵形嚢は前庭の膜迷路の袋で、平衡斑をもち水平方向の直線加速度・頭の傾きを感受する平衡覚器。聴覚受容器であるコルチ器は存在しない。
✗ 2. 誤り
半規管
半規管は内耳の骨迷路で、3本の管の各膨大部に膨大部稜(有毛細胞)があり回転加速度を感受する平衡覚器。コルチ器は存在しない。
✓ 3. 正しい
蝸牛管
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路(中2階)で、内リンパに満たされ底面の基底板上にコルチ器(ラセン器)が並ぶ。コルチ器は内有毛細胞(聴覚情報の主要伝達担当)と外有毛細胞(基底板振動を能動増幅)、支持細胞、覆いかぶさる蓋膜から構成される。前庭階(外リンパ)の振動が基底板を波打たせると、有毛細胞の感覚毛が蓋膜にこすれて屈曲し、機械感受性陽イオンチャネルが開いて脱分極する。これが蝸牛神経への放電として聴覚情報を伝える。蝸牛管が聴覚成立の中核構造であることは内耳解剖の基本中の基本であり、本選択肢が正解。
✗ 4. 誤り
耳 管
耳管は中耳の鼓室と咽頭鼻部を結ぶ約35mmの管で、鼓室内圧を外気と等圧に保つ。空気で満たされる気道の延長であって感覚器ではなく、コルチ器も存在しない。
ポイント
  • コルチ器(ラセン器)は蝸牛管の基底板上に存在し、内有毛細胞・外有毛細胞・蓋膜から構成される聴覚受容器。
  • 覚え方のコツ: 「コルチ=蝸牛管」「内有毛=感覚伝達/外有毛=振幅増幅」と機能で2分。蝸牛管は内リンパ=液体、耳管は空気=伝音と液性で対比。
  • 関連知識: 蝸牛軸内のラセン神経節に蝸牛神経の一次ニューロン(双極性)の細胞体があり、樹状突起がコルチ器の有毛細胞に分布、軸索が蝸牛神経核に投射する。
  • よくある間違い: 「蝸牛管」と「蝸牛」「前庭階」「鼓室階」を区別。コルチ器が乗るのは中2階の「蝸牛管」のみで、外リンパで満たされる前庭階・鼓室階にはない。
  • 臨床応用: 人工内耳は蝸牛の鼓室階に電極を挿入し、コルチ器を経由せず直接蝸牛神経を電気刺激することで高度感音性難聴に対する聴覚再建を可能にする。
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題38|コルチ器があるのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題38|コルチ器があるのはどれか。
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