学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0670

理由で解く 解剖学

Q0670 神経系

出典:あマ指 第27回(2019) 問題26
問題
尺骨神経について正しいのはどれか。
選択肢
1 腕神経叢の外側神経束から分かれる。
2 上腕骨内側上顆の前面を通る。
3 手根管を通る。
4 手の骨間筋を支配する。
解答
正解4(手の骨間筋を支配する。)
解説
✗ 1. 誤り
腕神経叢の外側神経束から分かれる。
尺骨神経(C8〜T1)は腕神経叢の内側神経束から分岐する。外側神経束からは筋皮神経と正中神経外側根が出るため、由来が異なる。
✗ 2. 誤り
上腕骨内側上顆の前面を通る。
尺骨神経は上腕骨内側上顆の「後面」=尺骨神経溝を通過する(肘部管)。内側上顆の後ろを直接触れて電撃痛を感じる“funny bone”はこの神経を叩打した痛みである。前面は通らない。
✗ 3. 誤り
手根管を通る。
尺骨神経は屈筋支帯の表面(ギヨン管/尺骨神経管)を通り手掌に入る。手根管を通るのは正中神経+9本の屈筋腱(浅指屈筋4・深指屈筋4・長母指屈筋1)であり、尺骨神経は手根管外を通る。
✓ 4. 正しい
手の骨間筋を支配する。
尺骨神経深枝は手内在筋の大部分、特に背側・掌側骨間筋、小指球筋、母指内転筋、内側2虫様筋を支配する。前腕では尺側手根屈筋と深指屈筋尺側半を支配。細やかな手の運動の要となる神経で、損傷で鷲手(Claw hand)を呈する。
ポイント
  • 尺骨神経は内側神経束→内側上顆後面→尺骨神経溝→前腕尺側→ギヨン管(手掌)で手内在筋と尺側屈筋を支配する。
  • 覚え方のコツ: 絞扼性神経障害の部位を対で記憶:肘部管症候群(内側上顆後面)、ギヨン管症候群(手根部尺側)。
  • 関連知識: 尺骨神経麻痺の特徴は鷲手(Claw hand、4・5指MP過伸展+PIP/DIP屈曲)、小指球萎縮、Froment徴候(母指内転筋麻痺)。
  • よくある間違い: 尺骨神経は手根管を通ると誤解しがち。手根管を通るのは正中神経と9本の屈筋腱。
  • 臨床応用: 肘部管症候群は内側上顆後面の尺骨神経圧迫で起こり、小指球萎縮・骨間筋萎縮・鷲手・小指の感覚障害を呈する。Froment徴候・Tinel徴候が診断に有用。
比較表
上肢3大神経 通過部 手での支配筋/感覚 麻痺の特徴
正中神経 手根管 母指球・橈側2虫様筋/手掌橈側3指半 猿手(Ape hand)
尺骨神経 肘部管・ギヨン管 骨間筋・小指球・母指内転・尺側2虫様筋/手掌小指側1指半 鷲手(Claw hand)
橈骨神経 橈骨神経溝 伸筋群(手根伸筋・指伸筋)/手背橈側 下垂手(Drop hand)
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題26|尺骨神経について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題26|尺骨神経について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手