学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0608

理由で解く 解剖学

Q0608 神経系

出典:あマ指 第27回(2019) 問題25
問題
滑車神経が支配する筋はどれか。
選択肢
1 上直筋
2 上斜筋
3 下直筋
4 下斜筋
解答
正解2(上斜筋)
解説
✗ 1. 誤り
上直筋
上直筋は動眼神経(III)支配で、眼球を上方に向ける主役の外眼筋。III が支配する4筋のうちの1つで、滑車神経は関与しない。
✓ 2. 正しい
上斜筋
滑車神経(IV)は上斜筋のみを支配する純粋運動性の脳神経である。中脳背面(下丘の直下)から出る唯一の脳神経で、中脳を包むように前方へ回り込み、上眼窩裂を経て眼窩に入って上斜筋に至る。上斜筋は眼球を「内下方」に向ける作用を持ち、階段を下りるときや下目遣いに物を読むときに重要。完全麻痺では患側眼が外上方に偏位し、下方視で複視が強くなる「Bielschowsky 徴候(頭部を反対側に傾けると複視改善)」が特徴的。名称は上斜筋の腱が滑車(トロクレア)で方向転換することに由来する。
✗ 3. 誤り
下直筋
下直筋は動眼神経(III)支配で、眼球を下方に向ける主役の外眼筋。IV が支配するのは上斜筋1筋のみで、下直筋は範囲外である。
✗ 4. 誤り
下斜筋
下斜筋は動眼神経(III)支配で眼球を外上方に向ける。名称が「下・斜」で上斜筋と紛らわしいが、支配神経と作用が異なる。IV が支配するのは上斜筋のみ。
ポイント
  • 滑車神経(IV)は上斜筋のみを支配する純粋運動神経。脳神経で最も細く、中脳背面から出る唯一の神経である。
  • 覚え方のコツ: 「LR6SO4、他すべて3」。LR(外側直筋)=VI、SO(上斜筋)=IV、残り4筋+上眼瞼挙筋=III。
  • 関連知識: 滑車神経の「滑車」は眼窩前内側にある軟骨性ループを指し、上斜筋の腱はここを通って方向転換する。
  • よくある間違い: 「下にある筋→IV」と覚え間違えるミス。IV は「上斜筋」だけで、下方視時に複視が出るからといって下直筋と混同しない。
  • 臨床応用: 滑車神経麻痺では患眼が外上方に偏位し、階段下降時の複視を訴える。頭を健側に傾けると複視が改善するため「頭部傾斜位」が診断の手がかり。
比較表
外眼筋 主な作用 支配神経
上斜筋 内下方視 IV 滑車
外側直筋 外転 VI 外転
上直筋 上転(やや内転・内旋) III 動眼
下直筋 下転(やや内転・外旋) III 動眼
内側直筋 内転 III 動眼
下斜筋 外上方視 III 動眼
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題25|滑車神経が支配する筋はどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題25|滑車神経が支配する筋はどれか。
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