学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0667

理由で解く 解剖学

Q0667 神経系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題26
問題
頸部の神経とその支配の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 横隔神経———前斜角筋
2 頸神経ワナ——顎二腹筋
3 鎖骨上神経——筋三角の皮膚
4 大耳介神経——耳下腺上の皮膚
解答
正解4(大耳介神経——耳下腺上の皮膚)
解説
✗ 1. 誤り
横隔神経———前斜角筋
横隔神経(C3〜C5、主にC4)は前斜角筋の「前面」を下行して胸腔に入り、唯一支配するのは横隔膜である。前斜角筋自体は頸神経前枝(C4〜C6)からの枝が支配し、横隔神経の支配筋ではない。
✗ 2. 誤り
頸神経ワナ——顎二腹筋
頸神経ワナ(ansa cervicalis、C1〜C3)は舌骨下筋群(胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・胸骨甲状筋・甲状舌骨筋の一部)を支配する運動神経の環である。顎二腹筋は前腹=三叉神経下顎神経の顎舌骨筋神経、後腹=顔面神経が支配する。
✗ 3. 誤り
鎖骨上神経——筋三角の皮膚
鎖骨上神経(C3〜C4)は頸神経叢の皮枝で、頸下部・鎖骨上部・肩峰部の皮膚を支配する。筋三角(舌骨下筋群領域)の皮膚は頸横神経が支配するため対応しない。
✓ 4. 正しい
大耳介神経——耳下腺上の皮膚
大耳介神経(C2〜C3)は頸神経叢の皮枝で、胸鎖乳突筋の後縁中央部(Erb点)から上行し、耳下腺上・耳介の後面下部・乳様突起部の皮膚感覚を支配する。耳介側頭神経(三叉神経)は耳介前面上部・外耳道・側頭皮膚を担う点と区別する。
ポイント
  • 頸神経叢の皮枝4本「小後頭・大耳介・頸横・鎖骨上」とその分布域を完全対応で押さえる。
  • 覚え方のコツ: Erb点(胸鎖乳突筋後縁中央)から4皮枝が放射状に出ると図像化して暗記。
  • 関連知識: 頸神経叢の筋枝は横隔神経・頸神経ワナ(舌骨下筋群)・直接枝(前斜角筋・中斜角筋・肩甲挙筋・椎前筋群)に大別される。
  • よくある間違い: 横隔神経が斜角筋を支配と誤る、大耳介神経と小後頭神経(頭頂後頭部)の領域を取り違える、鎖骨上神経を頸部筋三角と誤る。
  • 臨床応用: 頸部ブロック麻酔ではErb点を指標に頸神経叢皮枝の麻酔効果を確認する。横隔神経麻痺は呼吸困難・奇異呼吸の原因となる。
比較表
神経 由来 主な支配
横隔神経 C3〜C5(主にC4) 横隔膜(運動)、胸膜・心膜の感覚
頸神経ワナ C1〜C3 舌骨下筋群(胸骨舌骨筋など)
小後頭神経 C2 後頭部外側の皮膚
大耳介神経 C2〜C3 耳下腺上・耳介下部・乳様突起部の皮膚
頸横神経 C2〜C3 頸部前面(筋三角)の皮膚
鎖骨上神経 C3〜C4 鎖骨上部・肩峰部の皮膚
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題26|頸部の神経とその支配の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題26|頸部の神経とその支配の組合せで正しいのはどれか。
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