学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0668

理由で解く 解剖学

Q0668 神経系

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題18
問題
上肢の筋と神経の関係について正しいのはどれか。
選択肢
1 回外筋は正中神経によって貫かれる。
2 烏口腕筋は筋皮神経によって貫かれる。
3 円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を尺骨神経が通る。
4 上腕三頭筋の長頭と外側頭の間を橈骨神経が通る。
解答
正解2(烏口腕筋は筋皮神経によって貫かれる。)
解説
✗ 1. 誤り
回外筋は正中神経によって貫かれる。
回外筋は橈骨神経深枝(後骨間神経)によって貫かれる。浅頭と深頭の間のFrohseアーチを深枝が通って前腕伸筋群に達する。正中神経は肘窩で円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通り、回外筋を貫くことはない。
✓ 2. 正しい
烏口腕筋は筋皮神経によって貫かれる。
筋皮神経(C5〜C7)は腕神経叢外側神経束から起始し、腋窩を出て烏口腕筋を貫いたのち上腕二頭筋と上腕筋の間を外下方へ下行する。最終的には上腕二頭筋腱外側から皮下に出て外側前腕皮神経として前腕外側の皮膚を支配する。烏口腕筋貫通は筋皮神経の解剖学的指標となる。
✗ 3. 誤り
円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を尺骨神経が通る。
円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通るのは正中神経である。尺骨神経は上腕骨内側上顆の後面(尺骨神経溝)を通り、前腕では尺側手根屈筋の2頭の間を通過する。
✗ 4. 誤り
上腕三頭筋の長頭と外側頭の間を橈骨神経が通る。
橈骨神経は上腕三頭筋の長頭と内側頭の間から上腕骨の橈骨神経溝に入り、螺旋状に下行する。長頭と外側頭の間ではない点に注意が必要で、解剖学的には橈骨神経溝が内側頭を走る位置と対応する。
ポイント
  • 上肢の代表的な「神経が筋を貫く/間を通る」関係を対で整理:筋皮神経=烏口腕筋、橈骨神経深枝=回外筋、正中神経=円回内筋2頭間。
  • 覚え方のコツ: 「筋皮は烏口を貫く/橈骨深枝は回外を貫く/正中は円回内の上腕頭と尺骨頭の間」と3点セットで暗記。
  • 関連知識: 尺骨神経は上腕骨内側上顆後面の尺骨神経溝を通過し、前腕で尺側手根屈筋2頭間に入る。橈骨神経は橈骨神経溝で内側頭と外側頭の境を通る。
  • よくある間違い: 「橈骨神経=長頭と外側頭」の誤記(正は「長頭と内側頭」)、正中神経と尺骨神経の円回内筋貫通混同。
  • 臨床応用: 回内筋症候群(正中神経が円回内筋で絞扼)、後骨間神経症候群(橈骨神経深枝がFrohseアーチで絞扼)、肘部管症候群(尺骨神経溝での絞扼)など絞扼性神経障害と対応する。
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題18|上肢の筋と神経の関係について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題18|上肢の筋と神経の関係について正しいのはどれか。
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