学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ F. 下肢の骨格 / Q0835

理由で解く 解剖学

Q0835 運動器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題16
問題
寛骨について正しいのはどれか。
選択肢
1 耳状面は腸骨の内側にある。
2 恥骨結節は恥骨体の下方にある。
3 坐骨棘に大腿骨頭靭帯が付着する。
4 下前腸骨棘に鼠径靱帯が付着する。
解答
正解1(耳状面は腸骨の内側にある。)
解説
✓ 1. 正しい
耳状面は腸骨の内側にある。
耳状面は腸骨内面の後部にある“くの字型(耳の形)”の関節面で、仙骨の側面にある同名の耳状面と対合して仙腸関節をつくる。仙腸関節は関節包と強靭な仙腸靭帯で固く結ばれ、体重を脊柱から骨盤・下肢へ伝える支点となる半関節である。耳状面の後方にはさらに粗な関節後面があり、骨間仙腸靭帯の付着部となる。
✗ 2. 誤り
恥骨結節は恥骨体の下方にある。
恥骨結節は恥骨体の上縁、恥骨結合のすぐ外側上方にある小隆起で、下方ではなく上方に位置する。ここに鼠径靭帯の内側端が付着する。
✗ 3. 誤り
坐骨棘に大腿骨頭靭帯が付着する。
大腿骨頭靭帯は大腿骨頭と寛骨臼窩(寛骨臼切痕・寛骨臼底)の間に張る関節内靭帯で、大腿骨頭への動脈(閉鎖動脈枝)を通す。坐骨棘に付着するのは仙棘靭帯である。
✗ 4. 誤り
下前腸骨棘に鼠径靱帯が付着する。
鼠径靭帯の外側端は上前腸骨棘に付着する。下前腸骨棘は下方に位置し、大腿直筋の直頭(停止腱)が付着する場所であって、鼠径靭帯は付着しない。
ポイント
  • 耳状面は腸骨内面にあり、仙骨と仙腸関節をつくる。強固な半関節で体重伝達の要。
  • 覚え方のコツ: 「耳状面=耳の形=内側に向いて耳を澄ます」とイメージ。仙骨と対面する。
  • 関連知識: 鼠径靭帯→上前腸骨棘/大腿直筋→下前腸骨棘/仙棘靭帯→坐骨棘/仙結節靭帯→坐骨結節。付着部は頻出。
  • よくある間違い: 恥骨結節が「下方」と誤る(実際は上縁)。下前腸骨棘に鼠径靭帯と誤る(実際は大腿直筋)。
  • 臨床応用: 仙腸関節痛(仙腸関節障害)は腰下肢痛の原因となり、Patrick試験・Newton試験などで評価する。耳状面は靭帯結合が緩んで動揺すると疼痛を生じる。
比較表
寛骨の部位 位置 付着物
耳状面 腸骨内面・後方 仙骨(仙腸関節)
上前腸骨棘 腸骨稜前端 鼠径靭帯、縫工筋
下前腸骨棘 上前腸骨棘下方 大腿直筋(直頭)
坐骨棘 坐骨後方 仙棘靭帯
坐骨結節 坐骨後下方 ハムストリング、仙結節靭帯
恥骨結節 恥骨体上縁外側 鼠径靭帯(内側端)
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題16|寛骨について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題16|寛骨について正しいのはどれか。
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