学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0662

理由で解く 解剖学

Q0662 神経系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題28
問題
腕神経叢の後神経束から分かれるのはどれか。
選択肢
1 横隔神経
2 長胸神経
3 胸筋神経
4 胸背神経
解答
正解4(胸背神経)
解説
✗ 1. 誤り
横隔神経
横隔神経は頸神経叢の枝(C3〜C5、特にC4)であり、腕神経叢の後神経束とは無関係。前斜角筋の前面を下行し、胸腔を通って横隔膜を運動支配する唯一の神経である。
✗ 2. 誤り
長胸神経
長胸神経は腕神経叢の神経根(C5〜C7前枝)から直接起始する純粋運動枝で、前鋸筋を支配する。後神経束からではなく「根」から出る点が特徴で、損傷で翼状肩甲(Winged scapula)を生じる。
✗ 3. 誤り
胸筋神経
外側胸筋神経は外側神経束、内側胸筋神経は内側神経束から起始し、いずれも大胸筋・小胸筋を支配する。後神経束からは分枝しない。
✓ 4. 正しい
胸背神経
胸背神経(C6〜C8)は腕神経叢の後神経束から起始し、広背筋を支配する。同じ後神経束からは上・下肩甲下神経(肩甲下筋・大円筋)、腋窩神経、橈骨神経も分かれ、肩〜上肢後面の運動支配を一括して担う。
ポイント
  • 胸背神経は後神経束から分枝し広背筋を支配、後神経束は「肩〜上肢後面の運動統合センター」と理解する。
  • 覚え方のコツ: 後神経束の5枝「上肩甲下・胸背・下肩甲下・腋窩・橈骨」をまとめて暗記、広背筋は胸背神経。
  • 関連知識: 長胸神経(前鋸筋)・肩甲背神経(菱形筋)は神経束ではなく「根」から直接出る。根由来の枝と束由来の枝を区別する。
  • よくある間違い: 長胸神経や胸筋神経を後神経束の枝とする混同。由来(根/束)を必ず確認する。
  • 臨床応用: 胸背神経は有茎広背筋皮弁の再建外科で重要。胸背動静脈とともに温存しないと弁が壊死する。
比較表
神経束/直接枝 主な神経 支配筋
根(直接枝) 長胸神経 前鋸筋
根(直接枝) 肩甲背神経 菱形筋・肩甲挙筋
上神経幹 肩甲上神経 棘上筋・棘下筋
外側神経束 筋皮神経、外側胸筋神経 上腕屈筋、大胸筋
内側神経束 尺骨神経、内側胸筋神経 前腕屈筋内側、大胸筋・小胸筋
後神経束 上肩甲下・胸背・下肩甲下・腋窩・橈骨 肩甲下筋・広背筋・大円筋・三角筋・伸筋群
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題28|腕神経叢の後神経束から分かれるのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題28|腕神経叢の後神経束から分かれるのはどれか。
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