学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0663

理由で解く 解剖学

Q0663 神経系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題29
問題
腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか。
選択肢
1 陰部大腿神経
2 外側大腿皮神経
3 腸骨下腹神経
4 閉鎖神経
解答
正解2(外側大腿皮神経)
解説
✗ 1. 誤り
陰部大腿神経
陰部大腿神経(L1〜L2)は大腰筋を貫いて下行し、陰部枝は鼠径管を通り陰嚢(大陰唇)へ、大腿枝は血管裂孔の外側縁付近を通過して大腿三角の皮膚を支配する。筋裂孔ではなく鼠径管・血管裂孔を通る。
✓ 2. 正しい
外側大腿皮神経
外側大腿皮神経(L2〜L3)は大腰筋の外側縁から出て腸骨筋を横切り、上前腸骨棘の内下方で鼠径靱帯の深部=筋裂孔の外側部を通って大腿外側の皮膚を支配する。鼠径靱帯・縫工筋・上前腸骨棘の間で絞扼され、知覚異常性大腿痛(Meralgia paresthetica)を生じやすい。
✗ 3. 誤り
腸骨下腹神経
腸骨下腹神経(T12〜L1)は腰方形筋前面を外下方へ走り、腹横筋と内腹斜筋の間を貫いて下腹部の皮膚と腹筋を支配する。腹壁内を走行するので鼠径靱帯下の筋裂孔は通らない。
✗ 4. 誤り
閉鎖神経
閉鎖神経(L2〜L4)は大腰筋の内側縁から出て骨盤側壁を下行し、閉鎖孔の上部(閉鎖管)を通って大腿内側に出て、大腿内転筋群と大腿内側の皮膚を支配する。筋裂孔ではなく閉鎖管を通過する。
ポイント
  • 筋裂孔(腸恥隆起外側)を通るのは大腿神経・外側大腿皮神経・大腰筋・腸骨筋、血管裂孔(内側)を通るのは大腿動静脈・リンパ管である。
  • 覚え方のコツ: 「外は筋・大・外(筋裂孔:大腿神経+外側大腿皮神経)/内は血管(血管裂孔)」で左右に区別。閉鎖神経は閉鎖管、陰部大腿神経は鼠径管。
  • 関連知識: 腸腰筋靱帯が筋裂孔と血管裂孔を隔てる。筋裂孔は大腰筋・腸骨筋が通過するため「筋」の名が付く。
  • よくある間違い: 閉鎖神経も筋裂孔と誤解しやすい。閉鎖神経は閉鎖管(閉鎖孔上縁)を独立して通過する。
  • 臨床応用: 外側大腿皮神経が鼠径靱帯で絞扼されると大腿前外側の知覚異常性大腿痛を発症、肥満やきついベルトが誘因となる。
比較表
通過部位 通る神経・構造
筋裂孔(外側) 大腿神経、外側大腿皮神経、大腰筋、腸骨筋
血管裂孔(内側) 大腿動脈、大腿静脈、リンパ管、陰部大腿神経大腿枝
鼠径管 陰部大腿神経陰部枝、腸骨鼠径神経、精索/子宮円索
閉鎖管 閉鎖神経、閉鎖動静脈
腹壁内 腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経(腹横筋・内腹斜筋間)
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題29|腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題29|腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか。
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