学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0640

理由で解く 解剖学

Q0640 神経系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題18
問題
大坐骨孔を通らないのはどれか。
選択肢
1 梨状筋
2 内閉鎖筋
3 陰部神経
4 坐骨神経
解答
正解2(内閉鎖筋)
解説
✗ 1.
梨状筋
✗ 正しい。 梨状筋は仙骨前面から起こり、大坐骨孔を通って骨盤外へ出て大腿骨大転子に停止する。梨状筋自身が大坐骨孔を占めて梨状筋上孔と梨状筋下孔の二つの通過路を形成する。
✓ 2. 誤り
内閉鎖筋
内閉鎖筋は閉鎖膜内面から起こり、小坐骨孔をくぐって骨盤外に出て大腿骨転子窩に停止する深層外旋筋である。通過するのは「小坐骨孔」であって大坐骨孔ではない。内陰部動脈と陰部神経も坐骨結節を回り込む際に小坐骨孔を通って会陰部に再び入る。大坐骨孔と小坐骨孔は仙結節靭帯と仙棘靭帯で区切られる別個の通路で、内閉鎖筋はこの解剖学的区別を理解するうえでの典型例である。
✗ 3.
陰部神経
✗ 正しい。 陰部神経(S2-S4)は仙骨神経叢から起こり、大坐骨孔の梨状筋下孔から一旦骨盤外に出る。その後、坐骨棘を回り込んで小坐骨孔から再び骨盤内(坐骨直腸窩)に入り、会陰部と外肛門括約筋・外尿道括約筋を支配する。したがって大坐骨孔と小坐骨孔の両方を通過する。
✗ 4.
坐骨神経
✗ 正しい。 坐骨神経は仙骨神経叢(L4-S3)最大の枝で、大坐骨孔の梨状筋下孔を通って骨盤から殿部に出る。その後、大腿後面を下行してハムストリングスを支配し、膝窩上方で脛骨神経と総腓骨神経に分岐する。
ポイント
  • 大坐骨孔は梨状筋によって梨状筋上孔と梨状筋下孔に分けられ、小坐骨孔は坐骨棘下方で仙結節靭帯と仙棘靭帯によって仕切られる。
  • 覚え方のコツ: 「内閉鎖筋は小坐骨孔、坐骨神経と陰部神経は大(梨状筋下)から出る」と骨盤底の出入口を区別して覚える。
  • 関連知識: 陰部神経と内陰部動脈・静脈は大坐骨孔→坐骨棘周囲→小坐骨孔と「U字ターン」して会陰部に入る特殊な走路をとる。
  • よくある間違い: 内閉鎖筋が大坐骨孔を通ると誤る/陰部神経の入り口と出口を逆に覚える。
  • 臨床応用: 梨状筋症候群では梨状筋下孔で坐骨神経が絞扼され、殿部から下肢にかけての放散痛と下肢筋力低下を呈する。
比較表
通路 通過する主な構造
梨状筋上孔 上殿神経・上殿動静脈
梨状筋下孔(大坐骨孔) 坐骨神経・下殿神経・下殿動静脈・陰部神経・内陰部動静脈・後大腿皮神経
小坐骨孔 内閉鎖筋腱・陰部神経・内陰部動静脈
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題18|大坐骨孔を通らないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題18|大坐骨孔を通らないのはどれか。
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