学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0636

理由で解く 解剖学

Q0636 神経系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題32
問題
上腕動脈に沿って肘窩まで走行する神経はどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 尺骨神経
3 正中神経
4 橈骨神経
解答
正解3(正中神経)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は腕神経叢外側束から起こり、烏口腕筋を貫いて上腕屈筋群(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)の筋肉間を下行する。動脈と並走せず筋肉実質内を進むため、上腕動脈との伴走関係はない。前腕で皮下に出て外側前腕皮神経となる。
✗ 2. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は上腕では上腕動脈に沿わず、上腕中央付近で内側筋間中隔を後ろに貫いて、肘の内側上顆後方の尺骨神経溝を通って前腕に下行する。肘窩よりも内側を通るため、上腕動脈との伴走関係はない。
✓ 3. 正しい
正中神経
正中神経は腕神経叢の外側束+内側束の合流で形成され、上腕では枝を出さずに上腕動脈・上腕静脈とともに内側上腕二頭筋溝を肘窩まで一緒に下行する。脈管神経束を構成し、肘窩で上腕筋膜下に位置して円回内筋を貫いて前腕に入る。前腕で多数の運動・感覚枝を出して屈筋群と母指球筋を支配する。
✗ 4. 誤り
橈骨神経
橈骨神経は腕神経叢後束から起こり、上腕骨後面の橈骨神経溝(らせん溝)を斜めに走行する。上腕中央以降は上腕骨外側→前面へ巻き付いて肘の前面外側に到達するが、上腕動脈とは終始反対側を走り、伴走しない。
ポイント
  • 正中神経は上腕動脈・上腕静脈とともに内側上腕二頭筋溝を下行する「脈管神経束」の一員で、上腕では枝を出さずに肘窩まで一緒に進む。
  • 覚え方のコツ: 「動脈と並走するのは正中だけ」と1対1対応で記憶。「内側溝=動脈・静脈・正中の3点セット」を一塊で覚える。
  • 関連知識: 肘窩は外側に上腕二頭筋腱、内側に円回内筋、上方に上腕骨内側上顆〜外側上顆を結ぶ線で囲まれる三角形。内部に外から内へ正中神経・上腕動脈・上腕静脈が並ぶ(VAN: vein, artery, nerve)。
  • よくある間違い: 「橈骨神経が動脈と並走」と思い込みやすい。上腕動脈が橈骨動脈に分岐後、橈骨動脈と橈骨神経浅枝は前腕で並走するが、上腕レベルでは別経路を取る。
  • 臨床応用: 肘窩内側での誤穿刺(採血など)で正中神経を損傷すると、母指球萎縮・橈側3.5指の感覚障害(猿手)を生じる。上腕動脈拍動触知で位置を確認することが安全な穿刺の基本。
比較表
上腕動脈と神経の関係 内容
上腕動脈の走行 大円筋下縁〜肘窩、内側上腕二頭筋溝の深部
伴走する神経 正中神経(外側)、上腕静脈
肘窩での順序 内→外で 正中神経・上腕動脈・上腕二頭筋腱(VAN+T)
終枝 肘窩で橈骨動脈・尺骨動脈に分岐
触知部位 上腕内側、肘窩内側(血圧測定部位)
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題32|上腕動脈に沿って肘窩まで走行する神経はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題32|上腕動脈に沿って肘窩まで走行する神経はどれか。
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