学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0725

理由で解く 解剖学

Q0725 感覚器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題33
問題
平衡斑が存在する部位はどれか。
選択肢
1 卵形囊
2 蝸牛管
3 半規管
4 鼓室
解答
正解1(卵形囊)
解説
✓ 1. 正しい
卵形囊
卵形嚢は前庭にある膜迷路の袋で、内面に平衡斑をもつ。平衡斑は背の高い有毛細胞と支持細胞からなり、表面を炭酸カルシウム結晶(耳石・平衡砂)を含むゼリー状の平衡砂膜で覆われる。頭の傾きや水平方向の直線加速度で耳石が慣性により移動すると、感覚毛が屈曲して機械刺激が電気信号に変換される。卵形嚢は球形嚢とともに「耳石器」を構成し、直線加速度・重力方向の感受を担う。前庭神経を介して延髄・橋移行部の前庭神経核へ平衡覚情報を伝える。本選択肢は平衡斑の存在部位として正しい。
✗ 2. 誤り
蝸牛管
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路で、内部にコルチ器(ラセン器)をもち聴覚を司る。平衡覚器ではなく聴覚受容器が並ぶため、平衡斑は存在しない。
✗ 3. 誤り
半規管
半規管にあるのは平衡斑ではなく「膨大部稜」。半規管の各膨大部の有毛細胞が回転加速度を感受する。平衡覚器ではあるが平衡斑ではない別構造である。
✗ 4. 誤り
鼓室
鼓室は中耳の空気腔で耳小骨を収める部位であり、感覚受容器は存在しない。平衡斑は内耳の前庭にあり、鼓室にはない。
ポイント
  • 平衡斑は前庭の卵形嚢・球形嚢の内面にあり、有毛細胞と耳石(炭酸カルシウム結晶)を含む平衡砂膜から構成され、直線加速度・重力方向を感受する。
  • 覚え方のコツ: 「卵・球は耳石(平衡斑)/半規管は膨大部稜」と前庭の中身(卵形嚢・球形嚢)と半規管で受容器を区別する。
  • 関連知識: 卵形嚢の平衡斑は水平面で頭の傾き・水平加速度を、球形嚢の平衡斑は矢状面で重力・垂直加速度を主に感受する。両者の情報統合により全方向の直線加速度が検出される。
  • よくある間違い: 「平衡斑=半規管」と誤覚しがち。半規管にあるのは膨大部稜(回転)、平衡斑は前庭の卵形嚢・球形嚢(直線)と整理しよう。
  • 臨床応用: 耳石(平衡砂)が剥離して半規管に迷入するとBPPV(良性発作性頭位めまい症)を起こす。頭位変換時の数秒〜数十秒間の回転性めまいが典型で、Epley法で耳石を卵形嚢に戻す。
比較表
平衡覚器 部位 感覚
平衡斑(卵形嚢) 前庭 水平方向の直線加速度・頭位
平衡斑(球形嚢) 前庭 垂直方向の直線加速度・重力
膨大部稜 半規管膨大部 回転加速度
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題33|平衡斑が存在する部位はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題33|平衡斑が存在する部位はどれか。
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