学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0637

理由で解く 解剖学

Q0637 神経系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題34
問題
神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 頸神経叢 ― 横隔神経
2 腕神経叢 ― 正中神経
3 腰神経叢 ― 坐骨神経
4 仙骨神経叢 ― 上殿神経
解答
正解3(腰神経叢 ― 坐骨神経)
解説
✗ 1.
頸神経叢 ― 横隔神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。横隔神経はC3-C5(主にC4)から起こる頸神経叢の代表的分枝で、横隔膜の運動と感覚を支配する唯一の神経。「C3,4,5 keep the diaphragm alive」が定番の暗記法。
✗ 2.
腕神経叢 ― 正中神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。正中神経はC6-T1由来で腕神経叢の外側束と内側束が合流して形成される。前腕屈筋群の大部分(尺側手根屈筋・深指屈筋尺側半を除く)と母指球筋(母指内転筋を除く3筋)を支配する手指運動の主要神経。
✓ 3. 誤り
腰神経叢 ― 坐骨神経
✓ 正しい(=誤った組合せ)。 坐骨神経(L4-S3)は腰神経叢ではなく「仙骨神経叢」から起こる人体最大の末梢神経である。腰神経叢(T12-L4)の代表的分枝は大腿神経・閉鎖神経・外側大腿皮神経・腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経・陰部大腿神経で、坐骨神経はここには含まれない。「腰=大腿前面、仙骨=下肢後面」と支配領域で区別する。
✗ 4.
仙骨神経叢 ― 上殿神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。上殿神経(L4-S1)は仙骨神経叢から起こり、梨状筋上孔を通って中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する。麻痺するとトレンデレンブルグ徴候が陽性となり、片脚立位で骨盤が患側と反対へ下垂する。
ポイント
  • 坐骨神経は仙骨神経叢(L4-S3)由来であり、腰神経叢の枝ではない。腰神経叢の主役は大腿神経(前面)・閉鎖神経(内側)。
  • 覚え方のコツ: 「下肢前内=腰、下肢後=仙骨」の領域分担で覚える。腰仙骨神経幹(L4-L5)が両叢を連結する点も忘れない。
  • 関連知識: 仙骨神経叢の主な分枝は坐骨神経・上殿神経(梨状筋上孔)・下殿神経(梨状筋下孔)・後大腿皮神経・陰部神経。仙骨神経叢の最下部S2-S4を独立させて陰部神経叢と呼ぶこともある。
  • よくある間違い: 「下肢の最大神経=腰神経叢」と誤って記憶しがち。下肢全体を支配するのは腰神経叢+仙骨神経叢の両者だが、坐骨神経は仙骨神経叢の独擅場。
  • 臨床応用: 腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア(L4-L5、L5-S1)では坐骨神経痛(殿部から大腿後面・下腿外側へ放散)が出現する。L4障害では大腿神経痛様の前面痛と膝蓋腱反射低下も呈する。
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題34|神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題34|神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。
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