学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0635

理由で解く 解剖学

Q0635 神経系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題36
問題
頸神経叢から分枝する神経はどれか。
選択肢
1 横隔神経
2 腋窩神経
3 正中神経
4 橈骨神経
解答
正解1(横隔神経)
解説
✓ 1. 正しい
横隔神経
横隔神経はC3-C5(主にC4)に由来する頸神経叢の分枝で、胸郭上口を通って縦隔を心膜の外側を下行し、横隔膜の運動と感覚を支配する唯一の神経である。「C3,4,5 keep the diaphragm alive」と記憶される頸神経叢の最重要分枝。両側麻痺で呼吸停止に至る。
✗ 2. 誤り
腋窩神経
腋窩神経はC5-C6由来で「腕神経叢」後束から起こる分枝で、頸神経叢の枝ではない。上腕骨外科頸の後面を回って三角筋・小円筋を支配する。腕神経叢の主要5神経(筋皮・正中・尺骨・橈骨・腋窩)の一つ。
✗ 3. 誤り
正中神経
正中神経はC6-T1由来で「腕神経叢」の外側束と内側束が合流して形成される神経で、頸神経叢の枝ではない。前腕屈筋群の大部分と母指球筋を支配する手指運動の主要神経。
✗ 4. 誤り
橈骨神経
橈骨神経はC5-T1由来で「腕神経叢」後束から起こる神経で、頸神経叢の枝ではない。上腕骨後面の橈骨神経溝を通り、上腕三頭筋と前腕伸筋群を支配する伸筋系の総帥神経。
ポイント
  • 横隔神経はC3-C5(頸神経叢)由来で、唯一横隔膜を支配する運動神経。皮枝(頸皮神経・大耳介神経・鎖骨上神経)も頸神経叢の重要分枝。
  • 覚え方のコツ: 「C3,4,5 keep the diaphragm alive」と英語フレーズで暗記。横隔神経麻痺は呼吸不全につながるため、頸髄損傷の予後判定に必須。
  • 関連知識: 頸神経叢はC1-C4で構成され、皮枝(頸皮神経・大耳介神経・小後頭神経・鎖骨上神経)と筋枝(横隔神経・頸神経ワナによる舌骨下筋群支配)に大別される。
  • よくある間違い: 「頸=上肢」と類推して腕神経叢の枝を頸神経叢由来と混同しがち。腋窩・正中・尺骨・橈骨はすべてC5-T1由来の腕神経叢で、C1-C4由来の頸神経叢とは区別する。
  • 臨床応用: C3-C5レベルの頸髄損傷では横隔神経麻痺により自発呼吸不能となり、人工呼吸器管理が必要。頸髄ペースメーカー(横隔神経電気刺激)が長期管理に応用される。
比較表
神経叢 構成髄節 代表分枝
頸神経叢 C1-C4 横隔神経、頸皮神経、大耳介神経、鎖骨上神経、頸神経ワナ
腕神経叢 C5-T1 筋皮神経、正中神経、尺骨神経、橈骨神経、腋窩神経、長胸神経、胸背神経
腰神経叢 T12-L4 大腿神経、閉鎖神経、外側大腿皮神経、陰部大腿神経
仙骨神経叢 L4-S3 坐骨神経、上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題36|頸神経叢から分枝する神経はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題36|頸神経叢から分枝する神経はどれか。
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