
この図の解説
図は間脳の底部、第3脳室の側壁と底をつくる小さな領域「視床下部」を色分けして拡大したものである。左の脳の正中断で赤枠が位置を示し、大脳と脳幹のちょうど中央にあることを確認したい。小さな領域だが多数の神経核が密集し、自律機能の統合中枢として働く。まず色で機能をつかむと整理しやすい。上方の室傍核と下方の視索上核は下垂体後葉へ軸索を送りオキシトシン・バソプレッシンを放出する。弓状核(漏斗核)は下垂体前葉を調節するホルモンを門脈へ出す。腹内側核は満腹中枢、外側野は摂食中枢という食欲の一対で、背内側核は外側野とともに空腹中枢を形成し視交叉上核からの時間情報を受けて食餌性のリズムに関わる。前視床下野は放熱、後視床下野は産熱と体温調節が前後に分かれる点も図で位置を対比させたい。視交叉上核は概日リズム、乳頭体はパペッツ回路の中継核である。
学習の要点
- 視床下部は第3脳室の底部をなす小領域で、自律神経系の最高中枢かつ体温・摂食・性・情動の調節中枢である。
- 覚え方のコツ: 「下垂体系」は2群に分ける。後葉系=視索上核・室傍核(オキシトシン/バソプレッシンを軸索輸送で放出)、前葉系=弓状核(漏斗核、放出ホルモンを門脈経由で送る)。
- 覚え方のコツ: 食欲は「満腹=腹内側核」「空腹(摂食)=外側野」、体温は「前=放熱(冷やす)/後=産熱(温める)」と前後で対にする。
- 関連知識: 視交叉上核は網膜の光情報で概日リズムをつくり、交感神経を介して松果体のメラトニン分泌を調節する。乳頭体は海馬台→乳頭体→視床前核と続くパペッツ回路の要である。
- よくある間違い: 満腹中枢(腹内側核)と摂食中枢(外側野)、前視床下野(放熱)と後視床下野(産熱)を取り違えやすい。障害で肥満をきたすのは満腹中枢=腹内側核。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
視交叉上核は網膜からの光情報により( A )をつくりだし、交感神経を介して松果体の( B )分泌を調節する。AとBに入る語を答えよ。
答えを見る
答え: A:サーカディアンリズム(概日リズム)/B:メラトニン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。