学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0632

理由で解く 解剖学

Q0632 神経系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題30
問題
デルマトームについて誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 頸部 ― 第3 頸神経
2 乳房部 ― 第4 胸神経
3 臍部 ― 第1 腰神経
4 後大腿部 ― 第2 仙骨神経
解答
正解3(臍部 ― 第1 腰神経)
解説
✗ 1.
頸部 ― 第3 頸神経
✗ 正しい。 頸部の感覚はC2-C4が担当し、C3が頸部前外側〜鎖骨上方部の主要なデルマトームとなる。組合せは妥当である。C2は後頭部、C5は鎖骨下〜上腕外側に対応し、頸髄ごとにバンド状に皮膚分節が並ぶ。
✗ 2.
乳房部 ― 第4 胸神経
✗ 正しい。 乳房部(乳頭の高さ)の感覚はT4が代表的に担当する。組合せは妥当である。デルマトームの代表的指標として「T4=乳頭、T6=剣状突起、T10=臍、L1=鼠径靱帯」が国試頻出の暗記事項。
✓ 3. 誤り
臍部 ― 第1 腰神経
✓ 正しい(=誤った組合せ)。 臍部の皮膚デルマトームはL1ではなく「T10」(第10胸神経)である。L1は鼠径靱帯の高さ(鼠径部)に対応するデルマトームで、臍部より下方に位置する。「乳頭T4・剣状突起T6・臍T10・鼠径靱帯L1」が体幹の代表的指標で、神経学的レベル診断に必須。
✗ 4.
後大腿部 ― 第2 仙骨神経
✗ 正しい。 後大腿部(大腿後面)の皮膚感覚はS2が担当する後大腿皮神経(S1-S3)支配領域に対応する。組合せは妥当である。下肢のデルマトームは「L4=下腿内側〜母趾、L5=下腿外側〜足背、S1=足底外側〜小趾、S2=大腿後面」と覚える。
ポイント
  • デルマトームは脊髄神経1対が支配する皮膚領域で、体幹で重要な指標は「乳頭T4・剣状突起T6・臍T10・鼠径靱帯L1」の4点。
  • 覚え方のコツ: 「Tシャツ=胸=Thoracic、4・6・10は単純に2ずつ+4増える」と数字でリズム化。L1=鼠径=下着の高さと位置で対応。
  • 関連知識: デルマトームは隣接髄節と重複(オーバーラップ)するため、1髄節障害では完全な感覚消失とならず軽度の感覚低下のみのことが多い。完全消失を生じるには2-3髄節の障害が必要。
  • よくある間違い: 臍部をL1と覚える誤り。L1は鼠径靱帯であり、臍はT10と1髄節レベルで上下に位置がずれている。鼠径靱帯と臍は実際に手で触れて高さを確認するとよい。
  • 臨床応用: 帯状疱疹は1ないし数髄節のデルマトームに沿って単側性の水疱を形成する。デルマトーム評価は脊髄損傷の高さ(神経学的レベル)診断に必須で、髄節の特定が予後判定とリハビリ計画に直結する。
比較表
体表指標 デルマトーム
後頭部 C2
鎖骨上部 C3-C4
乳頭 T4
剣状突起 T6
T10
鼠径靱帯 L1
大腿前面 L2-L3
膝・下腿内側 L4
下腿外側〜足背 L5
足底外側〜小趾 S1
大腿後面 S2
会陰部 S3-S5
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題30|デルマトームについて誤っている組合せはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題30|デルマトームについて誤っている組合せはどれか。
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