学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ G. 脳室系・髄膜・脳脊髄液 / Q0539

理由で解く 解剖学

Q0539 神経系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題29
問題
脳室系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 側脳室は視床の間にある。
2 第3 脳室は中脳にある。
3 脳脊髄液は脈絡叢で産生される。
4 脳室は硬膜下腔に通じる。
解答
正解3(脳脊髄液は脈絡叢で産生される。)
解説
✗ 1. 誤り
側脳室は視床の間にある。
左右の視床の間に挟まれるのは第3脳室である。側脳室は左右の大脳半球内に大きなアーチ状の腔として広がり、間脳の外側に位置する。大脳半球内と間脳内という位置関係の違いを正確に押さえる必要がある。
✗ 2. 誤り
第3 脳室は中脳にある。
第3脳室は間脳(視床・視床下部)の正中に位置する狭い縦裂状の腔であり、中脳にあるのは中脳水道である。中脳水道は第3脳室と第4脳室を結ぶ細い管で、脳室自体ではない。「第3脳室=間脳/中脳水道=中脳」と部位を対応づけて覚える。
✓ 3. 正しい
脳脊髄液は脈絡叢で産生される。
脈絡叢は脳室壁の一部で、上衣細胞におおわれた毛細血管網が脳室内に突出した構造である。左右の側脳室・第3脳室・第4脳室の4か所に存在し、ここで血漿成分がろ過・分泌されて脳脊髄液となる。産生された髄液は1日に約500mL産生され、くも膜顆粒を介して上矢状静脈洞などの硬膜静脈洞へ吸収される。成人の総量は約150mLに保たれており、1日3〜4回入れ替わる計算になる。
✗ 4. 誤り
脳室は硬膜下腔に通じる。
脳室系の出口はあくまで第4脳室の正中口と外側口で、ここで開口する先はくも膜下腔であり、硬膜とくも膜の間にある硬膜下腔ではない。硬膜下腔は通常は狭いリンパ間隙であり脳脊髄液の主要な流路ではないため、脳室と直接交通する構造も存在しない。
ポイント
  • 脳脊髄液は脳室の脈絡叢で産生され、くも膜顆粒から硬膜静脈洞へ吸収される(作る場所と吸収する場所が異なる)。
  • 覚え方のコツ: 「作るのは〈叢(そう)〉、吸うのは〈顆粒〉」と対にして記憶する。位置は側脳室=大脳、第3=間脳、中脳水道=中脳、第4=橋・延髄と小脳の間。
  • 関連知識: 脳脊髄液の総量は成人で約150mL、産生量は約500mL/日、1日に3〜4回置換される。
  • よくある間違い: 硬膜下腔とくも膜下腔の混同。脳室系の出口は「くも膜下腔」で、硬膜下腔ではない。
  • 臨床応用: 脈絡叢乳頭腫では髄液が過剰産生され、交通性水頭症の原因となる。一方くも膜顆粒の吸収障害では髄膜炎後の交通性水頭症を来す。
比較表
脳室 所在部位 脈絡叢の有無
側脳室 大脳半球内 あり
第3脳室 間脳(左右視床の間) あり
中脳水道 中脳 なし
第4脳室 橋・延髄と小脳の間 あり
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題29|脳室系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題29|脳室系について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手