学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0602

理由で解く 解剖学

Q0602 神経系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題29
問題
脳神経と副交感神経節との組み合わせで正しいのはどれか。
選択肢
1 動眼神経 - 毛様体神経節
2 顔面神経 - 耳神経節
3 舌咽神経 - 翼口蓋神経節
4 迷走神経 - 上頸神経節
解答
正解1(動眼神経 - 毛様体神経節)
解説
✓ 1. 正しい
動眼神経 - 毛様体神経節
動眼神経(III)の副交感線維は中脳の動眼神経副核(エディンガー・ヴェストファル核)を起始核とし、眼窩内の毛様体神経節で節後線維にシナプス交代したのち、瞳孔括約筋(縮瞳)と毛様体筋(近見調節)を支配する。光が網膜に入ると視神経→視索→中脳蓋前域→両側エディンガー・ヴェストファル核→動眼神経→毛様体神経節という対光反射の遠心路を形成し、「III・IV・VI の三神経の中で副交感を持つのは III だけ」という原則の代表例である。
✗ 2. 誤り
顔面神経 - 耳神経節
顔面神経(VII)の副交感線維が中継するのは「翼口蓋神経節(大錐体神経経由→涙腺・鼻腺)」と「顎下神経節(鼓索神経経由→顎下腺・舌下腺)」の2つであり、耳神経節は関わらない。耳神経節は舌咽神経(IX)の副交感中継点である。
✗ 3. 誤り
舌咽神経 - 翼口蓋神経節
舌咽神経(IX)の副交感線維は下神経節を出て鼓室神経→小錐体神経をへて「耳神経節」に入り、節後線維が耳下腺の漿液分泌を支配する。翼口蓋神経節は顔面神経(VII)の枝である大錐体神経が中継する神経節で、舌咽神経とは関係しない。
✗ 4. 誤り
迷走神経 - 上頸神経節
迷走神経(X)の副交感線維は標的臓器の壁内(心臓・気管支・消化管壁内神経叢など)でニューロンを交代するため、頭頸部に明確な副交感神経節を持たない。上頸神経節は交感神経幹の最上位神経節であり、瞳孔散大筋や頭頸部の血管・汗腺に分布する交感性の中継点である。
ポイント
  • 脳神経の副交感神経節は「III→毛様体/VII→翼口蓋・顎下/IX→耳/X→壁内」の4対で、毛様体=動眼が基本。
  • 覚え方のコツ: 「1971・さ・ん・な・く(3・7・9・10)が副交感を持つ」。番号の数字をセットで記憶すると混同しにくい。
  • 関連知識: 副交感節前線維はIII・VII・IX・X、節後線維は標的近くまで長い。対する交感は脊髄側角→交感神経節(上頸・星状など)で短い節前+長い節後で対比。
  • よくある間違い: 「上頸神経節」を迷走神経と結び付けがちだが、上頸神経節は交感神経系の頭頸部代表節であり、副交感とは逆の系統。
  • 臨床応用: 動眼神経麻痺では副交感が脱落して瞳孔散大・対光反射消失を伴う。脳ヘルニアで動眼神経が圧迫されると「散瞳」が初発徴候となり、緊急性評価の重要所見となる。
比較表
脳神経 副交感神経節 標的
III 動眼 毛様体神経節 瞳孔括約筋・毛様体筋
VII 顔面 翼口蓋神経節 涙腺・鼻腺
VII 顔面 顎下神経節 顎下腺・舌下腺
IX 舌咽 耳神経節 耳下腺
X 迷走 壁内神経節 心臓・気管支・消化管
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題29|脳神経と副交感神経節との組み合わせで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題29|脳神経と副交感神経節との組み合わせで正しいのはどれか。
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