学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ C. 脳幹 / Q0509

理由で解く 解剖学

Q0509 神経系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題28
問題
脳幹について正しい記述はどれか。
選択肢
1 橋は脳幹に含まれる。
2 オリーブ核は錐体路に関与する。
3 延髄には四丘体がある。
4 中脳には孤束核がある。
解答
正解1(橋は脳幹に含まれる。)
解説
✓ 1. 正しい
橋は脳幹に含まれる。
脳幹は大脳を支える幹のように見える部位で、下から延髄・橋・中脳の3部から構成される(広義には間脳を含む)。橋は延髄の上方に盛り上がる脳幹の一部で、腹側の橋底部と背側の橋被蓋からなる。橋底部には左右の小脳半球を結ぶ横橋線維と錐体路が錯綜し、その間に橋核が散在する。橋被蓋には第V脳神経(三叉神経)・第VI脳神経(外転神経)・第VII脳神経(顔面神経)・第VIII脳神経(内耳神経)の神経核が存在する。橋は脳幹の中央部に位置し、上下の中脳・延髄および後方の小脳と連絡する要となる。
✗ 2. 誤り
オリーブ核は錐体路に関与する。
オリーブ核は延髄腹外側面の楕円形の隆起「オリーブ」の内部にある灰白質で、赤核・小脳・脊髄と線維結合を持ち錐体外路性の運動に関与する。錐体路そのものには関与せず、錐体路は延髄腹側の「錐体」(オリーブの内側の縦隆起)を通過する。
✗ 3. 誤り
延髄には四丘体がある。
四丘体は中脳背面にある上丘・下丘の2対からなる隆起で、中脳蓋を構成する。上丘は視覚反射、下丘は聴覚中継に関与する。延髄背面は菱形窩の底をなし、そこには脳神経核が多数存在するが四丘体は存在しない。
✗ 4. 誤り
中脳には孤束核がある。
孤束核は延髄背側にある感覚性脳神経核で、第VII・IX・X脳神経が伝える味覚・内臓感覚を受け取る。中脳ではなく延髄に属する神経核である。
ポイント
  • 脳幹は延髄・橋・中脳の3部からなり、各部位に特徴的な神経核と伝導路が対応している。
  • 覚え方のコツ: 「延髄=錐体・オリーブ・孤束核・後索核」「橋=V・VI・VII・VIII脳神経核・橋核」「中脳=赤核・黒質・四丘体・III・IV脳神経核」と3段に整理。
  • 関連知識: 脳幹の背面は菱形窩(第4脳室底)で、多くの脳神経核が並ぶ。網様体は脳幹全長にわたり生命維持の自律性・運動性中枢を含む。
  • よくある間違い: オリーブ核を錐体路に関与させる/四丘体を延髄に置く/孤束核を中脳に置く、といった部位取り違えが頻出。名前と所在をセットで暗記。
  • 臨床応用: 脳幹梗塞では部位ごとに特徴的症候群(Wallenberg症候群=延髄外側、Millard-Gubler症候群=橋腹側、Weber症候群=中脳腹側)を呈し、脳神経核と伝導路の組み合わせで病巣診断が可能。
比較表
脳幹の部位 主な神経核 代表的構造
延髄 IX・X・XI・XII脳神経核、孤束核、疑核、後索核、オリーブ核 錐体、オリーブ、菱形窩
V・VI・VII・VIII脳神経核、橋核 橋底部(横橋線維)、橋被蓋
中脳 III・IV脳神経核、赤核、黒質 大脳脚、被蓋、四丘体(上丘・下丘)
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題28|脳幹について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題28|脳幹について正しい記述はどれか。
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