学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0547

理由で解く 解剖学

Q0547 神経系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題30
問題
感覚と伝導路との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 視覚 - 内側毛帯
2 触圧覚 - 外側毛帯
3 聴覚 - 下丘
4 味覚 - 唾液核
解答
正解3(聴覚 - 下丘)
解説
✗ 1. 誤り
視覚 - 内側毛帯
視覚の伝導路は網膜→視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→後頭葉一次視覚野。内側毛帯ではない。内側毛帯は触圧覚・深部感覚(後索路由来)の伝導路である。
✗ 2. 誤り
触圧覚 - 外側毛帯
触圧覚(識別性触圧覚)は内側毛帯を通る。外側毛帯は聴覚伝導路の一部であり、蝸牛神経核→上オリーブ核→外側毛帯→下丘→内側膝状体→側頭葉聴覚野の経路で用いられる。
✓ 3. 正しい
聴覚 - 下丘
聴覚の中継核の1つとして下丘(中脳背側)が正しい。聴覚伝導路は内耳の蝸牛(コルチ器)→蝸牛神経→蝸牛神経核(延髄)→上オリーブ核(橋)→外側毛帯→下丘(中脳)→内側膝状体(視床)→側頭葉一次聴覚野(Heschl回)の順に中継する。下丘は中脳の四丘体のうち下方の一対で、聴覚反射(音への定位反応)の中枢も担う。
✗ 4. 誤り
味覚 - 唾液核
味覚の伝導路は舌前2/3=顔面神経・鼓索神経、後1/3=舌咽神経、喉頭蓋周囲=迷走神経によって延髄の孤束核に入り、視床後内側腹側核を介して味覚野(頭頂葉島)へ投射する。唾液核(上唾液核・下唾液核)は副交感神経の遠心性核であり、味覚の伝導路ではない。
ポイント
  • 聴覚は下丘(中脳)で中継。視覚は外側膝状体、触圧覚は内側毛帯を経由。
  • 覚え方のコツ: 「聴=下丘・内側膝状体」「視=外側膝状体」と膝状体の内外で対比。外側毛帯は聴覚の経路、内側毛帯は触圧・深部感覚の経路。
  • 関連知識: 中脳四丘体は上丘(視覚反射)と下丘(聴覚反射)。視床の膝状体は内側(聴覚)・外側(視覚)と覚える。孤束核は味覚・内臓感覚の中継核。
  • よくある間違い: 「外側毛帯=触圧覚」「味覚=唾液核」の取り違えは頻出。唾液核は分泌の核(副交感)であり感覚ではない。
  • 臨床応用: 中脳障害で聴覚反射の異常、側頭葉障害で皮質聾(音は聞こえるが意味がわからない)が生じる。視床出血では多様な感覚障害(thalamic syndrome)が出現。
比較表
感覚 主な中継核・経路 一次感覚野
視覚 外側膝状体(視床) 後頭葉(鳥距溝周囲)
聴覚 蝸牛神経核→外側毛帯→下丘→内側膝状体 側頭葉(Heschl回)
触圧覚・深部感覚 後索核→内側毛帯→視床VPL 頭頂葉(中心後回)
痛覚・温度覚 脊髄視床路→視床VPL 頭頂葉(中心後回)
味覚 孤束核→視床VPM 頭頂葉島・中心後回下部
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題30|感覚と伝導路との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題30|感覚と伝導路との組合せで正しいのはどれか。
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