学習トップ / 理由で解く 解剖学 / 第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0584
理由で解く 解剖学
三叉神経は3本の枝のうち第3枝の下顎神経(V3)だけが運動線維をもち、頭蓋底の卵円孔を通って咀嚼筋と口腔底の筋を支配する。咬筋と顎舌骨筋がともにこの下顎神経支配にあたるため、1と3のどちらを選んでも正解となる。
頭頸部の筋は「どの鰓弓から生じたか」で支配神経が決まる。第1鰓弓(下顎弓)から生じた筋=咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)と顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・鼓膜張筋・口蓋帆張筋は三叉神経(下顎神経)支配、第2鰓弓から生じた筋=表情筋・顎二腹筋後腹・アブミ骨筋は顔面神経支配である。一方、舌骨より下にある舌骨下筋群は鰓弓由来ではなく頸部の体節に由来するため、頸神経ワナ(C1〜C3)が支配する。つまりこの問題は「顔まわりの筋=顔面神経」と丸暗記していると解けず、噛む筋(V3)/表情をつくる筋(VII)/舌骨を引き下げる筋(頸神経ワナ)の3系統に仕分けできるかが分かれ目になる。三叉神経の残る2枝、眼神経(V1)と上顎神経(V2)は純粋な感覚枝で、支配する筋をもたない。3枝は頭蓋を出る孔も異なり、V1は上眼窩裂、V2は正円孔、V3は卵円孔を通るので、卵円孔を通った枝だけが筋を動かすと押さえておくとよい。
| 筋 | 支配神経 | 由来・所属 | 主な働き |
|---|---|---|---|
| 咬筋 | 三叉神経(下顎神経V3・咬筋神経) | 第1鰓弓・咀嚼筋 | 下顎を引き上げて咬みしめる |
| 顎舌骨筋 | 三叉神経(下顎神経V3・顎舌骨筋神経) | 第1鰓弓・舌骨上筋群 | 口腔底をつくり舌骨を挙上する |
| 顎二腹筋 前腹 | 三叉神経(下顎神経V3) | 第1鰓弓・舌骨上筋群 | 舌骨の挙上・開口を助ける |
| 顎二腹筋 後腹 | 顔面神経(VII) | 第2鰓弓・舌骨上筋群 | 舌骨を後上方へ引く |
| 眼輪筋 | 顔面神経(VII) | 第2鰓弓・表情筋 | まぶたを閉じる(閉瞼・瞬目) |
| 上眼瞼挙筋 | 動眼神経(III) | 眼窩の筋 | まぶたを開く(開瞼) |
| 胸骨舌骨筋 | 頸神経ワナ(C1〜C3) | 頸部体節・舌骨下筋群 | 舌骨を引き下げる |
| 甲状舌骨筋 | 舌下神経に伴って走るC1(甲状舌骨筋枝) | 頸部体節・舌骨下筋群 | 舌骨を引き下げる/喉頭を挙上する |

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