学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0581

理由で解く 解剖学

Q0581 神経系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題37
問題
角膜の痛みを伝える神経はどれか。
選択肢
1 視神経
2 動眼神経
3 三叉神経
4 顔面神経
解答
正解3(三叉神経)
解説
✗ 1. 誤り
視神経
視神経(II)は網膜からの視覚情報を中枢に伝える特殊感覚神経で、眼内にあっても痛覚・触覚などの体性感覚は伝えない。角膜は無血管で透明性を保つ必要があるため、視神経とは別の知覚神経が分布する。
✗ 2. 誤り
動眼神経
動眼神経(III)は外眼筋4つと上眼瞼挙筋を動かす運動線維、および副交感性に瞳孔括約筋・毛様体筋を支配する線維からなり、感覚線維は含まない。眼窩内を走るが角膜の感覚には関与しない。
✓ 3. 正しい
三叉神経
角膜の痛覚を含む知覚は、三叉神経第1枝である眼神経(V1)から分岐する毛様体神経(長毛様体神経・短毛様体神経の知覚線維)が担当する。角膜は無血管で人体中最も神経終末密度の高い組織のひとつであり、わずかな異物や圧迫でも鋭敏に痛みを感知する仕組みを持つ。角膜反射(瞬目反射)は、求心路=V1眼神経(角膜刺激→三叉神経核)、遠心路=VII顔面神経(眼輪筋収縮→閉眼)という典型的な反射弓を形成し、脳幹機能の評価に用いられる重要な臨床所見である。眼神経は上眼窩裂を通って眼窩に入り、前頭神経・涙腺神経・鼻毛様体神経の3枝に分かれ、このうち鼻毛様体神経系統の枝が角膜知覚を担う。
✗ 4. 誤り
顔面神経
顔面神経(VII)は角膜反射の「遠心路」として眼輪筋を収縮させ閉眼を起こすが、角膜自体の知覚を「感知」するのは三叉神経の役割。角膜感覚はV、閉眼反応はVIIと、反射弓の入口と出口を分けて理解する。
ポイント
  • 角膜知覚は三叉神経第1枝(眼神経V1)の毛様体神経が担当。角膜反射は求心路V1眼神経・遠心路VII顔面神経(眼輪筋)で構成される。
  • 覚え方のコツ: 眼神経V1の枝を「涙腺神経・前頭神経・鼻毛様体神経」の3本で覚え、角膜感覚は鼻毛様体神経系統と紐づける。
  • 関連知識: 眼神経V1の支配域は上眼窩裂より上方で、角膜・結膜・虹彩・前額皮膚・上眼瞼・鼻背皮膚・涙嚢に及ぶ。帯状疱疹のV1領域病変では角膜炎を合併しやすい。
  • よくある間違い: 視神経を「眼の痛覚神経」と誤解しやすい。視神経は視覚のみ、痛みは三叉神経V1の仕事である。
  • 臨床応用: 角膜反射の消失は脳幹(橋)障害・三叉神経障害・顔面神経障害の鑑別に有用。コンタクトレンズ長期使用者では角膜知覚が低下することがある。
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題37|角膜の痛みを伝える神経はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題37|角膜の痛みを伝える神経はどれか。
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