学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0582

理由で解く 解剖学

Q0582 神経系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題31
問題
中脳から出ている脳神経はどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 顔面神経
3 内耳神経
4 三叉神経
解答
正解1(動眼神経)
解説
✓ 1. 正しい
動眼神経
動眼神経(III)は中脳から出る脳神経で、中脳の大脳脚の内側(脚間窩)から腹側に現れ、海綿静脈洞の外側壁を経て上眼窩裂を通り眼窩に入る。中脳から出る脳神経は動眼神経(III、腹側)と滑車神経(IV、背側)の2本のみで、滑車神経は脳神経中で唯一脳幹背側から出るという例外的特徴を持つ。脳幹からの脳神経出現部位は、中脳=III・IV、橋=V・VI・VII・VIII、延髄=IX・X・XI・XIIと上から下に整理でき、障害部位の局在診断に直結する重要知識である。動眼神経は眼球運動(上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋)・上眼瞼挙上・瞳孔縮小・近見焦点調節と眼内外の多彩な機能を統括する。
✗ 2. 誤り
顔面神経
顔面神経(VII)は橋の下縁(延髄橋移行部)から内耳神経とともに現れる。脳幹起始部は「橋」であり中脳ではない。橋から出る脳神経はV・VI・VII・VIIIの4本と整理する。
✗ 3. 誤り
内耳神経
内耳神経(VIII)は橋の下縁(顔面神経の外側)から脳に入る。顔面神経と並んで橋起始の脳神経に分類され、中脳からは出ない。両者は内耳孔を一緒に通過する関係である。
✗ 4. 誤り
三叉神経
三叉神経(V)は橋の外側端(橋腕の付け根)から脳幹に入る。脳神経中で最も太く、感覚根と細い運動根の2根が橋外側から出る点が特徴で、中脳起始ではない。
ポイント
  • 脳幹からの脳神経出現部位は、中脳=III・IV/橋=V・VI・VII・VIII/延髄=IX・X・XI・XII。嗅神経I・視神経IIは終脳・間脳由来で脳幹からは出ない。
  • 覚え方のコツ: 「中2橋4延4」と数で覚える。上から順に中脳(III・IV)、橋(V・VI・VII・VIII)、延髄(IX・X・XI・XII)と並び、III〜XIIの10本が脳幹から出る。
  • 関連知識: 滑車神経(IV)は脳神経中唯一脳幹「背側」から出る。他はすべて腹側から出現。細さと背側起始という2つの特異性を持つ。
  • よくある間違い: 三叉神経を延髄起始や中脳起始と誤認しがち。三叉神経は「橋の外側端」から出ると正確に覚える。
  • 臨床応用: 脳幹梗塞では障害部位に応じて脳神経症状が異なる。中脳梗塞(Weber症候群)=同側III動眼神経麻痺+対側片麻痺、橋梗塞=V・VI・VII症状、延髄梗塞=Wallenberg症候群などが代表。
比較表
脳幹部位 出現する脳神経 備考
中脳 III 動眼(腹側)、IV 滑車(背側) IVのみ背側起始
V 三叉(橋外側端)、VI 外転、VII 顔面、VIII 内耳 VII/VIIIは延髄橋移行部
延髄 IX 舌咽、X 迷走、XI 副、XII 舌下 内側から外側へXII→IX順に並ぶ
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題31|中脳から出ている脳神経はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題31|中脳から出ている脳神経はどれか。
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