学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0580

理由で解く 解剖学

Q0580 神経系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題36
問題
脳神経について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 迷走神経は混合神経である。
2 舌咽神経は混合神経である。
3 副神経は感覚神経である。
4 舌下神経は運動神経である。
解答
正解3(副神経は感覚神経である。)
解説
✗ 1.
迷走神経は混合神経である。
✗ 正しい。 記述は正しい。迷走神経(X)は感覚(外耳・咽頭粘膜)・運動(喉頭筋=反回神経による声帯筋)・副交感(胸腹部内臓)の3成分をすべて含む代表的な混合神経で、脳神経中最長の走行をとる。
✗ 2.
舌咽神経は混合神経である。
✗ 正しい。 記述は正しい。舌咽神経(IX)は感覚(舌後1/3味覚・咽頭感覚・頸動脈小体・頸動脈洞)・運動(咽頭筋)・副交感(耳下腺)の3成分をすべて含む混合神経である。
✓ 3. 誤り
副神経は感覚神経である。
これが誤った記述で、本問の解答となる。副神経(XI)は「純運動性」の脳神経であり、感覚神経ではない。支配対象は頸部の胸鎖乳突筋と僧帽筋の2筋のみで、首の回旋(胸鎖乳突筋)と肩の挙上・肩甲骨の内転/挙上(僧帽筋)を担う。副神経は脳根と脊髄根の2つの起始を持ち、脊髄根は頸髄上部(C1〜C5/6)から起こり大後頭孔を通って頭蓋腔に入り、脳根(延髄起始)と合流して頸静脈孔から頭蓋外に出る。なお、古典的には脳根が迷走神経に合流して内枝(咽喉頭筋運動)を、脊髄根が外枝(胸鎖乳突筋・僧帽筋)を形成するとされるが、臨床的には「副神経=胸鎖乳突筋・僧帽筋の運動神経」と覚えるのが実用的である。
✗ 4.
舌下神経は運動神経である。
✗ 正しい。 記述は正しい。舌下神経(XII)は延髄から起こり、後頭骨の舌下神経管を通って頭蓋外に出る純運動性神経で、舌内筋(上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋)と外舌筋(オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋)を支配して舌の複雑な運動を制御する。
ポイント
  • 副神経(XI)は胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配する純運動性神経であり、感覚神経ではない。純運動性脳神経はIII・IV・VI・XI・XIIの5つ。混合神経はV・VII・IX・Xの4つ。
  • 覚え方のコツ: 下位脳神経を「IX混・X混・XI運・XII運」と分類し、IXとXが混合、XIとXIIが純運動と覚える。副神経=accessory=「おまけ」の運動神経。
  • 関連知識: 副神経は脳根(延髄起始)と脊髄根(頸髄C1〜C5)の2起始を持つ。脊髄根が大後頭孔から頭蓋内に入り脳根と合流し、その後頸静脈孔から出る独特の経路。
  • よくある間違い: 「副」という名称から補助的な感覚神経と誤解しやすい。副神経は迷走神経に「副」する運動神経で、頸部の大型筋2つを強力に動かす。
  • 臨床応用: 副神経麻痺では胸鎖乳突筋麻痺(患側への首の回旋不能)と僧帽筋麻痺(肩の挙上不能、翼状肩甲)を呈する。リンパ節郭清術で医原性に損傷されることがある。
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題36|脳神経について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題36|脳神経について誤っている記述はどれか。
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