学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0558

理由で解く 解剖学

Q0558 神経系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題29
問題
感覚性伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 視覚 ― 内側膝状体
2 平衡覚 ― 前庭神経核
3 味覚 ― 孤束核
4 体性感覚 ― 視床
解答
正解1(視覚 ― 内側膝状体)
解説
✓ 1. 誤り
視覚 ― 内側膝状体
本問は「誤っているのはどれか」を問うており、この組合せは誤りで選択すべき答えとなる。視覚の中継核は視床後部の外側膝状体であり、内側膝状体ではない。網膜→視神経→視交叉→視索を経由して外側膝状体で中継され、視放線として後頭葉の一次視覚野(鳥距溝周囲)に投射する。一方、内側膝状体は下丘からの聴覚情報を受け取り、大脳皮質聴覚野(横側頭回/Heschl回)へ送る聴覚の中継核である。名称も機能も混同しやすいが「内側=聴覚」「外側=視覚」と明確に区別する必要がある。
✗ 2.
平衡覚 ― 前庭神経核
✗ 正しい。 この組合せは正しい。内耳の半規管・耳石器からの平衡覚情報は、前庭神経(第VIII脳神経の前庭枝)を介して橋と延髄の境界部にある前庭神経核群(上・下・内側・外側前庭神経核)で中継される。前庭神経核からは小脳・眼球運動核・脊髄へ投射し、前庭眼反射・姿勢反射に関与する。
✗ 3.
味覚 ― 孤束核
✗ 正しい。 この組合せは正しい。味覚は舌の前2/3が顔面神経(鼓索神経)、後1/3が舌咽神経、舌根部・喉頭蓋が迷走神経で伝えられ、いずれも延髄背側の孤束核上部(味覚核)で中継される。その後対側の視床(VPM核)を経て大脳皮質味覚野(島・中心後回下部)へ投射する。
✗ 4.
体性感覚 ― 視床
✗ 正しい。 この組合せは正しい。体性感覚(識別性触覚・深部感覚は後索-内側毛帯路、痛温覚は外側脊髄視床路)は、延髄や脊髄で交叉した後に視床の後外側腹側核(VPL)で中継され、三次ニューロンが視床皮質路を通って大脳皮質体性感覚野へ投射する。視床は感覚の最終中継核として必須である。
ポイント
  • 視覚の中継核は外側膝状体、聴覚の中継核は内側膝状体で、「外側=視覚/内側=聴覚」と覚えると取り違えない。
  • 覚え方のコツ: 「外(そと)で見る=外側膝状体で視覚」「内(うち)で聞く=内側膝状体で聴覚」と感覚と位置を語呂で結ぶ。
  • 関連知識: 嗅覚だけは視床を経由せず、嗅球→梨状葉(一次嗅覚野)へ直接投射する唯一の例外。他の特殊感覚(視・聴・平衡)と体性感覚・内臓感覚・味覚はすべて視床(または脳幹中継核)を経由。
  • よくある間違い: 「視覚=内側膝状体」と取り違える/「内側=内側だから中心、つまり主要」と誤推論する。膝状体の「内外」は視床後部での位置を示す解剖用語。
  • 臨床応用: 外側膝状体障害で対側同名半盲、内側膝状体障害で聴覚伝達障害(中枢性難聴は稀)、視床VPL梗塞で対側半身の感覚障害+視床痛(Déjerine-Roussy症候群)を生じる。
比較表
感覚 中継核・経路
視覚 網膜→外側膝状体→視放線→後頭葉視覚野
聴覚 蝸牛→蝸牛神経核→下丘→内側膝状体→側頭葉聴覚野
平衡覚 半規管・耳石器→前庭神経核→小脳・眼球運動核
体性感覚 後索核/脊髄後角→視床VPL→体性感覚野
味覚 顔面・舌咽・迷走神経→孤束核→視床VPM→味覚野
嗅覚 嗅球→梨状葉(視床中継なし)
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題29|感覚性伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題29|感覚性伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。
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