学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0454

理由で解く 解剖学

Q0454 内分泌系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題28
問題
下垂体について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 トルコ鞍の中に位置する。
2 腺性下垂体と神経性下垂体からなる。
3 前葉には下垂体門脈系の血液が注ぐ。
4 後葉には後葉ホルモン産生細胞がある。
解答
正解4(後葉には後葉ホルモン産生細胞がある。)
解説
✗ 1.
トルコ鞍の中に位置する。
✗ 正しい。 下垂体は蝶形骨体上面のトルコ鞍(下垂体窩)の中に小指頭大で収まり、脳の下面から細い漏斗でぶら下がる。トルコ鞍は鞍状の骨性の窪みで、下垂体を周囲からよく保護する。この記述は正しい内容であり、設問の「誤り」にはあたらない。
✗ 2.
腺性下垂体と神経性下垂体からなる。
✗ 正しい。 下垂体は発生起源の異なる腺性下垂体(原始口腔由来の上皮性、前葉+中間部+隆起部)と神経性下垂体(第3脳室底の突出による神経性、後葉+漏斗)の2つの部分から構成される。正しい記述であり誤りではない。
✗ 3.
前葉には下垂体門脈系の血液が注ぐ。
✗ 正しい。 腺性下垂体では大脳動脈輪の枝が隆起部で第一次毛細血管網をつくり、小静脈(下垂体門脈)を経て前葉で第二次毛細血管網を形成する。視床下部の放出ホルモンはこの経路で前葉に運ばれ、前葉ホルモンの分泌を調節する。正しい記述であり誤りではない。
✓ 4. 誤り
後葉には後葉ホルモン産生細胞がある。
後葉(神経性下垂体)には腺細胞が存在せず、ホルモンは視床下部の視索上核・室傍核の神経細胞で産生される。産生されたオキシトシン・バソプレシンは軸索(漏斗を下降)を通じて後葉の軸索末端(ヘリング小体)に運ばれ、ここで蓄積・放出される。後葉はあくまで「貯蔵・放出」の場であって、後葉にホルモン産生細胞があるという記述は誤りである。この神経細胞が直接ホルモンを分泌する様式を神経分泌と呼ぶ。
ポイント
  • 後葉ホルモン(オキシトシン・バソプレシン)は視床下部の視索上核・室傍核で産生され、軸索輸送で後葉に運ばれて貯蔵・放出される。後葉自体にホルモン産生細胞はない。
  • 覚え方のコツ: 「後葉はホルモンの倉庫・駅、工場は視床下部」とイメージ。軸索末端のヘリング小体に電車(ホルモン)が停車していると覚える。
  • 関連知識: 視索上核はバソプレシン優位、室傍核はオキシトシン優位とされる。神経分泌とは、神経細胞がホルモンを合成・放出する様式であり、後葉はその典型。
  • よくある間違い: 「前葉も後葉もそれぞれのホルモンを産生する」と一括りにする/後葉の腺細胞を仮定する/下垂体門脈が後葉にもあると誤記する。
  • 臨床応用: 視床下部や下垂体茎の障害でADH分泌低下が起こると中枢性尿崩症をきたし、多尿・多飲が出現する。分娩時のオキシトシン欠乏は陣痛微弱につながる。
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題28|下垂体について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題28|下垂体について誤っている記述はどれか。
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