学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0455

理由で解く 解剖学

Q0455 内分泌系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題23
問題
内分泌系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 アドレナリンは副腎皮質から分泌される。
2 上皮小体は甲状腺の前面にある。
3 下垂体の後葉は神経性下垂体とも呼ばれる。
4 男性ホルモンは前立腺から分泌される。
解答
正解3(下垂体の後葉は神経性下垂体とも呼ばれる。)
解説
✗ 1. 誤り
アドレナリンは副腎皮質から分泌される。
アドレナリンは副腎「髄質」のクロム親性細胞から分泌され、ノルアドレナリンとともにカテコラミンを構成する。副腎皮質は外側から球状層(アルドステロン)・束状層(糖質コルチコイド)・網状層(副腎性アンドロゲン)の3層からなりステロイドホルモンを分泌する。皮質と髄質は由来(皮質:中胚葉、髄質:外胚葉・交感神経由来)と機能が全く異なる点が頻出。
✗ 2. 誤り
上皮小体は甲状腺の前面にある。
上皮小体(副甲状腺)は甲状腺の「後面(背面)」に通常4個(上下2対)埋め込まれるように位置する米粒大の小体で、パラソルモン(PTH)を分泌し血中カルシウム濃度を調節する。前面ではない点が注意で、甲状腺全摘時に誤って切除されると低Ca血症・テタニーを招く。
✓ 3. 正しい
下垂体の後葉は神経性下垂体とも呼ばれる。
下垂体後葉は発生学的に第3脳室底の突出に由来する神経組織であり、視床下部の視索上核・室傍核の神経細胞が軸索を伸ばし、その軸索末端にオキシトシンとバソプレシンを蓄積・放出する。このため後葉は「神経性下垂体」と呼ばれる。これに対して前葉・中間部は原始口腔の上皮由来で「腺性下垂体」と呼ばれる。神経細胞自身がホルモンを分泌する「神経分泌」の代表例であり、発生起源・構造・分泌様式いずれも腺性下垂体と対照的である。
✗ 4. 誤り
男性ホルモンは前立腺から分泌される。
男性ホルモン(テストステロン)は精巣の間質に散在する「ライディッヒ(間質)細胞」から分泌される。前立腺は膀胱下部の尿道周囲に位置する副生殖腺で前立腺液を尿道に分泌する外分泌腺であり、男性ホルモンの産生は行わない。前立腺はむしろ男性ホルモンの標的器官で、加齢とともに肥大する。
ポイント
  • 下垂体は前葉・中間部・隆起部(=腺性下垂体、上皮由来)と後葉・漏斗(=神経性下垂体、神経由来)の2系統に分かれ、後葉が神経性下垂体と呼ばれる。
  • 覚え方のコツ: 「前=腺(肉)/後=神(ノウ)」で前腺後神。副腎は「皮ステ(ステロイド)・髄カテ(カテコラミン)」、上皮小体は「甲状腺の後ろに小さな米」でセット記憶。
  • 関連知識: 後葉ホルモンは視索上核・室傍核の神経細胞で産生され、軸索末端(ヘリング小体)に蓄積される。前葉ホルモンは下垂体門脈系を介して視床下部から放出ホルモンを受ける。
  • よくある間違い: 上皮小体を甲状腺の「前面」と誤記する/アドレナリンを副腎皮質と結びつける/男性ホルモンを前立腺が作ると思い込む(産生は精巣ライディッヒ細胞)。
  • 臨床応用: 甲状腺全摘時に上皮小体を誤切除するとPTH低下による低Ca血症・テタニーを招く。褐色細胞腫は副腎髄質腫瘍で高血圧発作をきたす。前立腺肥大は男性ホルモン依存性に進行する。
比較表
内分泌腺 位置 主なホルモン 分泌細胞・部位
下垂体前葉 トルコ鞍(腺性下垂体) GH・PRL・TSH・ACTH・FSH・LH 前葉腺細胞
下垂体後葉 トルコ鞍(神経性下垂体) オキシトシン・バソプレシン 視索上核・室傍核の神経細胞
甲状腺 喉頭下部前面 T3・T4・カルシトニン 濾胞細胞・傍濾胞細胞
上皮小体 甲状腺背面(4個) パラソルモン 主細胞
副腎皮質 腎上極(中胚葉由来) アルドステロン・コルチゾール・アンドロゲン 球状層・束状層・網状層
副腎髄質 副腎中心部(外胚葉由来) アドレナリン・ノルアドレナリン クロム親性細胞
精巣 陰嚢内 テストステロン ライディッヒ(間質)細胞
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題23|内分泌系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題23|内分泌系について正しい記述はどれか。
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