学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0557

理由で解く 解剖学

Q0557 神経系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題26
問題
錐体路が通過するのはどれか。
選択肢
1 脳梁
2 内包
3 橋被蓋
4 後索
解答
正解2(内包)
解説
✗ 1. 誤り
脳梁
脳梁は左右の大脳半球を結ぶ最大の交連線維で、半球間の情報統合を担う横方向の線維である。錐体路のような皮質から脊髄への下行性投射線維ではなく、錐体路の経路ではない。
✓ 2. 正しい
内包
内包は尾状核・視床と外側のレンズ核(被殻・淡蒼球)の間を通る扇状の投射線維の束で、大脳皮質と脳幹・脊髄を結ぶ上下方向の線維が密に集まる。水平断では前脚・膝・後脚に区分され、錐体路(皮質脊髄路)は膝から後脚を通過する。同時に内包には視床皮質線維、視放線、聴放線など多くの重要な伝導路が通るため、比較的小さな内包出血でも大きな神経機能障害を生じる「神経の要衝」と呼ばれる。錐体路は内包後脚→中脳大脳脚→橋底部→延髄錐体→錐体交叉→脊髄側索と下行する経路をたどり、内包はこの最初の狭窄部として極めて重要である。
✗ 3. 誤り
橋被蓋
橋被蓋は橋の背側部で、第V・VI・VII・VIII脳神経核や内側毛帯・三叉神経路などの感覚・脳神経性の構造を含む。錐体路は橋でも腹側の橋底部を横橋線維と錯綜しながら通過するため、橋被蓋は錐体路の経路ではない。
✗ 4. 誤り
後索
後索は脊髄後方に位置し、薄束・楔状束として識別性触覚・深部感覚の一次ニューロン軸索を上行させる感覚性の白質である。上行性の感覚路であり、下行性運動路である錐体路の経路ではない。
ポイント
  • 内包は大脳皮質と脳幹・脊髄を結ぶ投射線維の狭窄部で、錐体路は内包後脚を通過する。
  • 覚え方のコツ: 「錐体路の7ステップ」=皮質・内包・大脳脚・橋底部・延髄錐体・錐体交叉・脊髄側索。内包は皮質の直下最初の関門と記憶。
  • 関連知識: 内包は前脚(前頭橋路・視床前放線)・膝(皮質核路)・後脚(皮質脊髄路・視放線・聴放線・視床体性感覚放線)に区分され、穿通枝由来のラクナ梗塞の好発部位。
  • よくある間違い: 「橋被蓋を錐体路が通る」と誤解する。橋では腹側の橋底部を通り、被蓋(背側)ではない。橋では横橋線維と錯綜するが場所は腹側。
  • 臨床応用: 内包後脚のラクナ梗塞(穿通枝動脈梗塞)で純粋運動片麻痺(pure motor hemiparesis)を呈する。小さな梗塞でも錐体路の線維密度が高いため重い運動麻痺となる。
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題26|錐体路が通過するのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題26|錐体路が通過するのはどれか。
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